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世界史の必修をはすしてほしい、という話 [その他]

 昨日の放課後課外でやったセンター試験の過去問の一つ。


問1 下線部①に関連して、14~15世紀の文学作品として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。 ①『カンタベリー物語』  ②『神 曲』  ③『デカメロン』  ④『失楽園』                        (1996年度 本試験 世界史 第3問B )



 この問題、いわゆる「仲間外れはどれでしょう」という問題。『失楽園』が「ピューリタン文学の名作」の一つに数えられる作品であるということを知っておけば、ピューリタン革命が17世紀なので仲間外れだということが分かる、という話。で、課外が終わったあと一人の生徒が私のところに来て、「教科書に誤植をみつけました」と言う。みると、山川の『詳説世界史』の索引で、ピューリタン革命とピューリタン文学のページ数が逆になっている。へぇと思って準備室で調べたら、今の3年生が使っている2005年版では確かに逆になっており、あきらかに間違い。2004年版ではなんとピューリタン革命もピューリタン文学も同じページ数になっている。これを訂正しようとして、さらに間違ったんでしょうね。今の2年生が使っている2006年版は正しくなっています。

 課外のあと今話題の地歴未履修問題の話になりました。ウチの生徒たちの話を総合すると、2年生で地理歴史を2科目履修することが受験にマイナスとは思わないという話でした。理由は、選択肢は多いほうがいいからというもの。1科目のみ選択した場合、もしそれが自分の予想と異なる内容だったら修正がきかないだろうということです。地理だけの選択者が、3年生で急に早慶上智の法学部を受けたいというときはどうするんでしょうね?おまけに東大京大の文系は地歴2科目必要だし。だから「まじめにやってる学校がバカを見てる」という考えは批判になっていない。自分で自分の首を絞めているだけだ。したり顔で現場を知らずに批判する大人よりも、高校生の方がずっと鋭い。
 僕が今の職場で密かに大尊敬している数学の先生曰く、「およそ学問というのは退屈な営みである。その退屈さのなかに甘美さを見いだすことが学問の楽しみだ。」と。長い目で見れば、功利主義ばかりが能ではない。
 実は今日私は代休で午後から休みをとりました。で、このニュースを報じるワイドショーその他をたっぷり見ることができました。昨日朝「今頃冷や汗を流している学校って全国にたくさんあるよね」という話を準備室でしたところですが、(いまのところ)予想外に少ない。いわゆる進学校で学習指導要領通りにやってるのは、ウチを含めて少数派と思ってましたから。私が知る限り、九州ではもっと多いはず。「対岸の火事」と見物を決め込むのも考え物ですが、同僚の先生さえ「ウチは大丈夫?」と尋ねてくるので説明しておくと、熊本高校は2年次で地歴2科目、理科を2科目全員が受けます。地歴は世界史が全員必修で、地理か日本史の選択。だから熊本高校では、理系文系のコースに分かれるのは3年次からになっています(規則通りにやろうとすると、2年生から理系文系に分けるのは難しいのでは?)。
 「受験に有利にするために生徒のためを思ってやった」というのは、正しくありません。3年生は理系で地歴公民から1科目、文系で2科目を選ぶというシステムですが、ウチの学校の現3年生では理系の生徒のうち自ら世界史を選択した生徒が40名を越えていますし、文系では地歴2科目を選択した生徒も40名以上います(もちろん全員が東大京大を受けるわけではありません)。こうした生徒の関心は、大切にするのがあるべき姿でしょう。受験に有利だからと言って、文学部を地理だけで受験する生徒に、大学側は問題を感じていないのでしょうか?

 今の学習指導要領に、まったく問題がないわけではありません。世界史はいやでも受けなければなりませんが、英数国と違って受験に必ずしも必要ではありません。ですからトータルで考えると、興味を失って世界史を勉強しない生徒も大勢います。おまけにウチの学校の場合、教科書の内容はすべて授業時間内に終わらせることになっていますから(課外で教科書の内容をやってはいけないし、そもそも1・2年生に朝夕の課外はない)、進度がとてつもなく速い。あまり興味がない生徒諸君には厳しいのが現実です。そこで私の希望は、世界史の必修をはずしていただくこと。日本史・世界史・地理のうちから2つ選べばいいということにしてほしい。そうすれば、自分の興味や関心にもとづく選択の幅がいっそう広がることになるのではないでしょうか。
 というわけで学校現場や受験制度と、学習指導要領が乖離しているという指摘は事実。ですが、教育評論家という人がさも何でも知っているような顔で「学校が予備校化している」などとコメントするのをみると、失笑してしまう。教育評論家なる肩書きで呼ばれるなら、「予備校化」のデメリットとその深刻性を指摘して、その改善プランを提示するのがやるべき仕事でしょうよ。アホか。僕は高校の予備校化がそんなに悪いことだとは思えないのですが?全国の高校がすべてそうなら問題でしょうが、それは一部の高校の話。「予備校化」でいいことばかり、とはいわないが、現役で合格できるなら親としてそれにこしたことはない。保護者の希望に添うのは学校の役目の一つ。雑誌『プレジデント・ファミリー』が、あれだけ売れている事実を、教育評論家の先生方はどう考えているのでしょう?

 今回の話は世界史だけに限りませんが、現2年生に「受験に必要ない科目を勉強して損してると思うか」と尋ねたところ、損したとは思わないということでした。まぁ、今回の問題は学ぶ意義を伝えきれなかった、見いだせなかった我々教師全体の責任と言えるのかもしれません。いっそ世界史を入試からはずしてもらえると有り難いのですがね。映画見せたり、自分の好きな話ばかりできるから。予備校の講師には悪いけど。

 でもなぜ今これから受験本番という時期にこれほど大問題になったのでしょうか?これから補講って、担当者の時間外手当はでるのか、などといらぬ心配をしているのですが。


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さがい

 疑問が幾つか。

 なぜ、今頃、この問題が浮上したのか?
 そして、今までなぜばれなかったのか?
 校長、教育委員会の処分は適切に行われるのか?
 (特に、校長の処分は厳しくなるのが当然だろう)
 卒業生の問題が取り上げられないのはどうして?
 (卒業資格がないことになる)
 高校の卒業式は時期が早すぎるのではないか?授業日数が足りないのではないのか?

 以上、素朴な疑問でした。
by さがい (2006-10-26 18:11) 

zep

>なぜ、今頃、この問題が浮上したのか?
これは私も知りたいこと。過去にも散発的に、確か兵庫かどっかで卒業式後にも補習をやった例があるはず。
>そして、今までなぜばれなかったのか?
県の教育委員会レベルでは絶対知っていたはず。教育委員会には現場の先生方が行くわけでしょ?知らないはずがない。だから「虚偽の報告だからわからなかった」というのは説明になりません。
>校長、教育委員会の処分は適切に行われるのか?
このような事例は熊本では過去数度明るみに出て、管理職の先生は処分されました。でもその年の4月新しく赴任したばかりの校長先生も処分されて、とてもかわいそうに思った記憶があります。
>卒業生の問題が取り上げられないのはどうして?
この問題はどうなるんでしょうね?私も興味津々。
http://blog.so-net.ne.jp/goto33/2006-10-26
ここにその話は取り上げられていましたが。基本的に卒業取り消しが正しいのでしょうが、問題が大きすぎるため怖くて誰も言えないのか?
>高校の卒業式は時期が早すぎるのではないか?授業日数が足りないのではないのか?
あー、私はこれが当たり前と思ってました。熊本では例年マリスト高校が1月末に行うのが毎年ニュースになってるので、問題ないのでは?授業日数は学校で異なるので、その3分の2以上出席してればいいのかも。授業日数の下限って決まってるんでしょうかね?
by zep (2006-10-26 19:08) 

時期を押さえた指摘でniceです。
私自身の意見をここで長々論ずるのは無礼なんでやめときますが、どうしても言ってておきたいのは、世界史必修の背景(中学で日本史しかやらない)をメディアが伝えないことと、なんでよりによってこの時期にスクープしたのかということ。「生徒が動揺しないような対応が求められます」とかコメントしたって、動揺するに決まってるでしょ、センター試験まであと3か月もないのに。もう一個だけ言うと、私学の土曜日授業は半ば公認で、公立はキマリを守らんと許さんぞと挑まれて、そのくせバウチャーだ競争原理だ勝ち残れだと言われたって、ねえ。
by (2006-10-26 23:42) 

MANTA

当方の記事を取り上げていただきありがとうございます。
zepさんは世界史の先生でしょうか?世間はいろいろ言いますけれど、おっしゃるとおり「勉学は明日への糧」だと思います。上記記事を拝見しますと、「受験科目をえらぶ自由があってよい」という理由ですが、「糧」ということを生徒さんはよく分かっているようで少し安心しました。

卒業資格の剥奪については、上記のご紹介いただいた記事に追記しました。よろしければお読みください。
by MANTA (2006-10-27 06:55) 

MANTA

Yahoo!ニュースの「必修科目の履修漏れ問題」の過去記事をたどってみると、この問題は24日の富山県教育委員会の記者会見で明らかになったようです。新聞のスクープではないのですね。一説には国会で審議中の「教育基本法改正」を進めるためだともいわれてますね。学校管理を厳しくする、ということでしょうか・・・
by MANTA (2006-10-27 06:56) 

ともしび洞

 こんにちは。初めてお邪魔しました。

 記事を拝読して疑問点が一つあります。

 密かに大尊敬しておられるという数学の先生の「およそ学問というのは退屈な営みである。その退屈さのなかに甘美さを見いだすことが学問の楽しみだ。」というご意見に zep さんも共感しておられるのですよね? 直後に御自身の発言として「長い目で見れば、功利主義ばかりが能ではない。」ともありますし。
 であれば、「功利主義ばかりが能ではない。」という御意見と「僕は高校の予備校化がそんなに悪いことだとは思えない。」という主張とは、zep さんの中でどのように整合性を保っているのでしょうか。予備校というのは、学問を【功利的に】追求する場所ではないのでしょうか。そこでは、学問が「甘美な楽しみを見いだす」対象としてではなく、単なるパスポートを手に入れるための手段として扱われているように思えてならないのですが。
by ともしび洞 (2006-10-27 10:06) 

lessismore

トラックバックありがとうございました。
文才のない私にとって、理解するのにかなりの労力を要したのですが、
賛成の部分と賛成しかねる部分があります。

「文学部を地理だけで受験する生徒に…」
これは理系でもありますね。
物理を選択していなくても理学部に入れてしまったりする。
でも、私はそんなに問題だとは思いませんでした。
高校の教科って、大学のそれとは大きな開きがありますので、
高校で習ってなかったらついていけないとは感じないです。
高校で学んでいる事って、学問的な優劣を決めるものでは決してなく、
無駄なことが非常に多いので、
単に大学合格の指標ってだけと私は思うのですが…。
by lessismore (2006-10-27 18:45) 

zep

>shiraさん
まったくですね。生徒は可哀想。時期が悪い。「補習」が正論とはわかっていても、当事者の生徒は不満でしょうね。某所では、「これまで受験勉強しっかりやってるんだから、補習しっかり受けろ」という意見も多いようですが、まぁ使徒に落ち度はないですから。200時間の補習なんて不可能ですし。少しくらいは大目に見ても.....という気がしないでもない。世界史を中学でほとんどしない、というのはやはり大きいでしょうね。高校生は中学時代とのギャップに唖然としています。熊本では公立高校でも朝夕の課外以外に、土曜日の授業をやっているところがあります(強制ではないようですが)。ウチの高校に入学する生徒の中には、「課外や土曜日の授業がないからここに来た」という生徒がかなりいて、赴任当時は驚いたものです。shiraさんご指摘の「公立は大変」という点を私がほとんど感じていなかったのは、熊本では「公立に落ちた生徒が私立に行く」というイメージがあるからでしょう。その意味で熊本県は、公立より私立の方が大変そうです。先日熊本で未履修が発覚したのは私立高校でした。

> MANTAさん
勉強は「役に立つか否か」という価値基準は通用しないものだということですよね。例えばニュートリノ。あれが発見されて、我々の生活に何か役に立つかというと、すぐには思いつきません。が、それは有意義なことです。この件で過去の卒業生まで遡るというのはちょっと大変でしょうね。大学にも関わる問題ですから、文部科学省の判断を注視したいところです。

>ともしび洞さん
なるほど、少し説明が必要ですね。そもそも前提として、私とともしび洞さんとでは、予備校に対する認識が根本的に異なっています。私の中では、予備校は受験一辺倒の功利的な授業のみを行っている場所ではありません。手元にある7種類の参考書類のうち、『中谷の論述世界史練習帳』『ナビゲーター世界史』『名人の授業』『青木の世界史講義実況中継』『センター世界史各駅停車』といった参考書は、大学入試を意識せずに読み物として読んでも十分面白い。昔私が担当した方から最近メールをいただきましたが、世界史の面白さが分かったのは、予備校で有名な青木氏の授業を受けてからだということでした。自分自身教科指導の面において、「予備校の講師には負けたくない」とは思っていますが、未だそのレベルに達してはいないということです。予備校のテキストの面白さについては以前このブログでも紹介していますが、進学を希望する生徒が多い高校の教師は、予備校の授業も手本とすべきだと考えます。ウチの学校の準備室には、予備校の世界史の授業を記録したビデオもあり、たいへん参考にしています。またウチの学校の地理の非常勤の先生は、ウチの学校に来ない日は地元の有名予備校で教えている名物先生です。一度予備校の授業をごらんになっては如何でしょうか?もう一つ「功利主義ばかりが能ではない」という言葉の意味には、「大学受験に出るか出ないかに特化した授業には生徒はついてこない」、という意味以外に、「大学受験に必要がない科目は勉強しなくてもいい、ということが生徒の利益に必ずしもつながらない」という意味も含んでいます。これは文章中に書いていることです。そしてもう一つ、予備校化が悪くないと思う理由は、進学を希望する生徒に対するきめ細かな指導です。本人の弱点と希望を勘案し、のばそうとする指導を進学校はぜひ見習うべきだと思います。ただデメリットをあげさせてもらうと、高校が進学実績のみを追い求めるようになると(これは必ずしも「予備校化」とイコールではない)、専門学校や就職を希望する生徒に無理矢理大学を勧めるということになってしまう場合があります。以上のようなことから、私の中では「功利主義ばかりが能ではない」という考えと、「僕は高校の予備校化がそんなに悪いことだとは思えない」という考えは、なんら矛盾せずに存在しています。ただ誤解のないように付け足させていただきますが、「ともしび洞さんの認識に誤りがある」ということではありません。最初に述べたように、予備校に対する私とともしび洞さんの認識が異なっているということですから、ともしび洞さんの疑問はまったく当然なことです。色々な見方があって当たり前ですよね。

>s_saigo さん
私は数年前に現職のまま鳴門教育大学の大学院に派遣されていましたが、学部からそのまま上がってきた学生のレベルに唖然としました。「高校の世界史の内容が大学の歴史の授業にはつながらない」というご意見は正しいでしょう。しかし「高校で教えられている内容を知らないで、大学の授業を理解することは困難だ」というのもまた事実。私は学問を細分化して考えることが正しいとは思っていません。世界史の内容を知っていれば、大学の教育学の発表で「プロイセン」を「プロセイン」と間違うこともなかったでしょうし、経済学の授業で先生が「昔々マルクスという人がいて」なんていう話をしなくても済んだはず。九州大学法学部など法学部のホームページでシラバスをごらんになれば、法学部で歴史関係の授業があり高校での授業とつながる点が多いことが分かります。今朝の日本テレビ系の番組『ウェーク』でゲストの桝添要一氏は、「私が東大で教えていた経験では、高校で世界史をやっていないフランス革命も知らない学生に、政治学を教えるなんて不可能だった」と言ってました。あくまで一例ですが、高校の世界史の授業は、歴史学よりもむしろ他の学問分野でこそ有効なツールと成りうるのです。
by zep (2006-10-28 10:30) 

zep

ちなみにウチの学校では2年生で地歴2科目、理科2科目が必修なので、11月の全国模試(ベネッセ)は2年生全員強制的に地歴2科目、理科2科目を受験します。したがって平均点はあまりふるわないわけですが、あまり気にはしませんでした。問題は、2年生で必修のはずなのに他校対比一覧表では、明らかに受験者数が少ない学校があること。受験者数が少ない学校がすべて未履修の学校だとは断言できませんが。
by zep (2006-10-28 10:31) 

lessismore

うむうむ。
きっと理系と文系で様子が違うんでしょうね。
私は物理学を担当していましたので、
高校の物理はあまり意味がない、と思っていました。
(そもそも理系・文系という区分けも意味不明とは思いますが…)

「学部からそのまま…」ってところは学生によってさまざまですよ。
きっと見られた学生のレベルが低すぎたんだと思います。
学部4年間、遊んだ子と勉強ばかりだった子のレベルの差は
非常に大きなものです。

未履修、今のルールの中では「ルール違反!」といいたくなるでしょうけど
私の考えでは早く大学に行かせて、思い切り勉強して欲しい。
自分が必要と思った学問に全神経を注いで欲しい。
という意味では、試験のためのことだけやって早く卒業して
何が悪いのかなぁ、という感じでしょうか。
by lessismore (2006-10-28 11:51) 

ともしび洞

 長文の御回答を有り難うございました。

 予備校に対する認識の違いというよりも(勿論それもあるのでしょうが)、「功利的」という言葉に対する認識の違いと社会の今のありように対する認識の違いだという気がしました。
by ともしび洞 (2006-10-28 12:35) 

MANTA

お返事ありがとうございます。
>勉強は「役に立つか否か」という価値基準は通用しないものだということですよね。
厳密には、「勉強は糧」=たくわえ=いますぐ役に立たないかもしれないけれど、近いうちに必ず立つもの、と考えております。
by MANTA (2006-10-28 22:19) 

さがい

 その後の疑問。

 理科関係では、基礎理科あたりが必修のようですが、貴校ではいかがでしょうか。
by さがい (2006-10-29 13:05) 

zep

1年生で理科総合とかいうのをやっています。これの試験監督が大変。試験時間90分で、解答用紙が3~4枚。まとめてくれと言ったら、「専門で採点するのでダメ」だそうです。その後2年生で物理・化学・生物・地学から2つ、3年では理系で2つ、文系で1つの選択です。ちなみに地学を選択できるのは文系のみ。確か時間割の関係で、センター試験は組み合わせによっては理科総合を受けられる場合があるとかで、毎年文系でも理科総合を含めて2科目受験する生徒が多いです。なんでもこれで理科が助かった人が毎年けっこういるとか。理系の公民も同じです。
by zep (2006-10-29 13:23) 

さがい

 えらい! すごい!
 すごいですねえ。どうも、他の進学校は「偽装」しまくりのようですね。そうなると、なおさら真面目にしてきた学校が、救済措置で損をするような気がしますね。何のための救済措置だか。
 真面目に、当たり前に取り組んできた学校の救済措置も必要ですね。

 マスコミの取り組みに期待しています。(卒業生への対応がなぜか不明瞭)
by さがい (2006-10-29 13:55) 

zep

何年か前のセンター試験で理科の生物、地歴の日本史が難しかった年があったのですが、そのとき文系で生物&理科総合、理系で日本史&現代社会を受験していた生徒は大いに恩恵を受けたという例があります(この組み合わせだと時間割の関係で、同時に受験できるらしい)。ですから、ウチの生徒にはあまり「損した」なんていう感覚はないようです。指導要領通りにやっていくとすると、ウチにみたいに理系文系のコースに分かれるのは3年生からにならざるをえないような気もしますが。救済措置の件ですが、あまりに不足時間が多い場合は救済措置も必要かと思いますが、レポートですませろ、というのもどうかと。レポートにすると、インターネットの丸写しという例がかなりあるのでは?でも単位不足のまま大学に入った人はホントにどうするのでしょうね?校長が卒業を認めている、ということにはなるでしょうけど。
by zep (2006-10-29 16:18) 

ty-ortho

未履修問題、必ずzepさんがコメントされるだろうと思って、お邪魔いたしました。まあ、zepさんが世界史を担当されている高校が未履修はないだろうと思っていましたが。
私は高校時代、世界史が大の苦手でした。世界史の勉強をし直しはじめたのは、本当に最近でしたが、やはり手ごわいなあと思いました。でも、あきらめるのはいやでしたので、落書き学習を模索したのです。zepさんが言われるように、世界史は必要だけども、必修にするべきではないと私も思います。少なくとも、今の分量では。子供たちの大多数は今の高校世界史を頭に入れられほど頭が良くないと思います。これは高校生達と世界史の事について話しての感想ですが。
世界史を楽しみ、世界を楽しめる日本人が増えてくれるのが、1大人のささやかな願いです。
by ty-ortho (2006-10-30 00:32) 

 zepさん、コメントへのお返事ありがとうございました。
 「何でこの時期に?」についてですが、教育再生会議に合わせたんでしょうかね。現場と教育委員会の批判材料として。まあ邪推ですが。(と、The Wanton Songを聞きながら書き込みました)
by (2006-10-30 20:23) 

zep

>ty-orthoさん
勉強は楽しみながらやっていきたいので、できる限り(場合によっては必要ですが)強制はさけたいという気がします。特に世界史なんて、小説や映画、一次史料を使った本格的な研究、また ty-orthoさんのようなアートと様々な楽しみ方ができるので、勉強は個人の自主性に任せたいなぁという気もします。僕は、そのネタ提供に徹したいというのがホンネかも(笑)。
>shiraさん
教育基本法改正や再生会議にあわせたかのように、さまざまな問題が教育現場では噴出しています。我々教師はいったいどうすればいいのか、自分の子どもが高校生になるころにはどうなっているのか、と「カシミール」を聞きながら自問自答しています。
by zep (2006-10-31 20:12) 

ケイ

お久し振りです、私はikemaです。


私の考えでは、世界史は、他の分野の基礎になる部分が多い学問です。文学史や科学史などを内包しているので。だから、世界史が必修になっている理由は分からなくもないです。
ただ、この時期に問題にしなくてもいいとは思いました。生徒には落ち度はないわけですし……。


>何年か前のセンター試験で理科の生物、地歴の日本史が難しかった年があったのですが、そのとき文系で生物&理科総合、理系で日本史&現代社会を受験していた生徒は大いに恩恵を受けたという例があります

これは私の代ではないかと思います。かく言う私もその恩恵を受けた人間の一人で、日本史が苦手だったので倫理を同時に受けて助かったということがありました。


私は現在、地歴の教職を得ようと行動しています。
先生のウェブサイト上の参考文献を使わせて頂いていて、現在は小田中氏の『歴史学ってなんだ?』を読んでいます。
私はどちらかというと単行本より文庫・新書の方が好きなので、そちらも多く紹介して頂けると助かります。
世界史は高校の時にあまり勉強していなかったこともあって随分頭から抜けてしまいました。いつか再勉強しなければと思っていますが、今は小説ばかり読んでいてそちらに手が回らない状況です……。
やはり、世界史を勉強するには教科書が最良ですか? 個人的には、あの無味乾燥な記述は苦手なのですが……。
by ケイ (2006-11-01 14:55) 

zep

ケイくん、お久しぶりです。世界史をやっておいて損はないと思いますが、絶対必要かと問われるとちょっと困りますね(笑)。その点で小田中氏の本は面白いと思いますよ。私も基本的には新書が好きですね。出張のとき、空いた時間に読むには実に手頃。浜島j書店のホームページに高校生向けの読書ガイドがあり、新書も紹介してあるので参考にするといいかも。僕的には教科書より、中央公論社の「世界の歴史」(旧版、中公文庫にあり)がいいと思いますが。内容的にはかなり古いのですが、面白く読めます。これ読んだ後に新版を図書館から借りて読むのも一興。教育実習、待ってますよ。転勤がなければいいけど。
by zep (2006-11-02 19:28) 

MANTA

> 「何でこの時期に?」についてですが、教育再生会議に合わせたんでしょうかね。

私も疑問です。国のいうことなすこと、どうもチグハグです。関連記事をTBさせていただきましたので、よろしければまたお読みください。
by MANTA (2006-11-05 13:32) 

zep

拝読いたしました。ニュースが整理されていて、説得力ある文章に感じます。先日同僚の先生が、「(現行の)教育基本法は名文だよ」とおっしゃっていました。変えたら今の現状が改善されるのか、今のままではダメなのか、もう一度読んでみる必要を私自身は感じています。
by zep (2006-11-05 14:52) 

EJI

初めて書き込みをいたします。いつも先生のHPを楽しみにさせて
いただいています。さて,私も高校で世界史を授業担当した経験が
あるのですが,世界史Aと世界史Bの読み替えを含めると,ほとんどの
高校が該当しているのでは,と感じています。私の認識不足かも
しれませんが,世界史は近代史から学習してクリアするにしても,地理
などは指導範囲としてをB実施してAを履修だとすることに,無理が
あるような気がします。A,B教科の内容も大丈夫だったら,さすがに
熊本を代表する高校だなと改めて思うことでしょう。よかったら,お教え
いただけませんか。少し興味本位な文面になっていることをお許しください。
by EJI (2006-11-11 00:13) 

zep

EJIさん、はじめまして。ウチの学校も、実質的にはBをやっています。Aを全然しないと今回のような問題になるので、トピック的にテーマをやるといった程度ですね。「わくわく授業」はその例です。ただ近代史ははっきりいって手薄。一昨年は最後の試験後に少しやった程度でした。ご期待に応えられず残念です。EJIさんがどのような点で「無理がある」とご指摘なのか不明ですが、この場合の問題で一番無理がくるのは教科内容より生徒側の問題だという気がします。やる気を失ってしまう生徒が大勢でてしまう、という点です。ウチの学校がその典型かも。
by zep (2006-11-11 09:07) 

EJI

早々のお返事に,また掲示板では書き込みにくいことにお答えいただきありがとうございました。言い尽くせず,短い文にて申し訳ありません。
by EJI (2006-11-12 10:07) 

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