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高度経済成長時代の少年マンガ雑誌 [現代社会ネタ]


 一昨年廃品回収で手に入れたのが、昔の週刊少年誌。69年の「少年キング」、70年の「少年マガジン」、そして71年の「少年サンデー」の3冊。まだ何冊かあったのですが、状態がいいものを3冊もらってきました。「マガジン」には「巨人の星」や「あしたのジョー」、「キング」には「怪物くん」「柔道一直線」など、有名どころの作品が並んでします。「キング」の手塚治虫「鬼丸大将」って、「どろろ」のプロトタイプって感じです。「サンデー」の巻頭カラー特集は、「オールナイトニッポンにきたへんなてがみ」。メール時代の今では考えられないユニークな手紙が並んでいます。「サンデー」には、高卒と大卒はどちらが有利か、という特集まで。
 驚くのは、今では考えられないほど重い作品があること。「サンデー」の「銭ゲバ」と「マガジン」の「アシュラ」の二作ですが、これがどちらもジョージ秋山の作品。う~む。中には「ダメおやじ」みたいに、今だったら絶対問題になりそうな内容のマンガもあります。ここに収録されているエピソードは、家に帰ると妻や子にいじめられるため、会社から帰りたくないダメおやじの話。それを見た会社の上司が、ウチに来いと行ってダメおやじを自宅に連れて行き、自分の妻で殴る蹴るの練習をさせるという内容。書いているだけで、冷や汗もののです。この漫画が連載されていた当時は、「オヤジが家庭内で威張っているのは当たり前」の時代だったゆえ、こういう内容がギャクになっていたんでしょうねぇ。数日前佐賀県武雄市の市長が、女性配偶者を「オイ」などと、名前無しで呼ぶことを禁止する条例を発案してましたが、私と同世代で妻を「オイ」なんて呼ぶ人がいるのでしょうか?そんなことしたら後がどうなるか、考えただけでも恐ろしい(笑)。
 で、これらの雑誌を何に使うかというと、裏表紙の自転車をネタに高度経済成長の話。高度経済成長の時代には、このサイクリング用の自転車というのが豊かさの象徴だったとのこと。裏表紙は3誌とも自転車で、「キング」の裏表紙には島野工業株式会社というメーカーの自転車用変速機の広告まであります。当時の値段で3万円以上というのは、かなりの値段だったようです。その他広告もじっくり見ると実に興味深い。

 一年生の現代社会に持って行ったのですが、反応はほとんどなし。で、仕方なく例によって2年生の世界史の授業に持って行ったところ、それなりの反応を得て溜飲を下げました(笑)。


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aia

面白い授業をなさっていますね。なぜ高1の方々の心の琴線にふれないのでしょう(^^;

過去の雑誌って振り返って読むのが好きです。特に広告は、世情を反映しているから、当時を知る格好の資料ですよね。
by aia (2007-03-04 22:24) 

zep

昔の雑誌で一番面白いのは広告かもしれませんね。戦時中の新聞なんかも、実は広告が一番面白いかも。この頃の少年週刊誌では、チョコレートなどのお菓子の広告が多いのが面白いです。私が授業に行っている一年生は、前回の「手回し洗濯機」["http://blog.so-net.ne.jp/zep /2007-02-01-1]のときも反応がありませんでした。もうしかすると反応がないだけで、実は「面白い」と思っているのかもしれませんが(笑)。
by zep (2007-03-05 20:50) 

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