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県外での研修など [授業研究・分析]

 昨年の「わくわく授業」出演を契機に色々な会からお招きいただき、とても有り難いことです。まず6月は日本西洋史学会第57回大会[http://www.seiyoshi.com/]に出席するため新潟へ。私が出るのは2日目、6 月17 日(日)午後からの小シンポジウムⅣで「「歴史教育への現代的アプローチ- 歴史学者、社会科教育学者、実践家の立場から - 」というテーマです[http://www.seiyoshi.com/17pm-4.htm] 。私以外に適任者がいるのではないかという気がしないでもないですが、ここはぜひ①大学で歴史学の授業を担当なさっている先生方は今の高校における世界史の授業をどのように考えておられるのか、もし問題点があるのならば、どうすれば改善できるのか、②昨年起きた世界史の未履修問題をどのように捉えておられるのか、といった点を大学の先生方に伺いたいと思っています。朱鷺メッセ[http://www.tokimesse.com/]というところが会場だそうで、ここは興味津々。ぜひ見学してきたいと思います。あと有名な先生方のお顔をナマで拝見するのも、実は楽しみ。といっても名前と顔が一致しないので、有名な先生とすれ違っても気がつかないという可能性大。それにもっと大きな不安材料は、午前中に行われる「部会別自由論題報告」に私が理解できそうなものが見あたらないという点。

 もう一つは島根県立松江教育センターへの出張。「高等学校地理歴史科(世界史)授業力向上セミナー」という研修への参加ですが、今回はいつもと違って講師としての参加です[http://www.shimanet.ed.jp/matsue-ec/kenshu/shakai/index.html]。校長先生を通じてお話をいただいて嬉しかったのは事実ですが、当然不安だったので最初は固持させていただきました。しかし「これはあなたにとっても研修になると思いますから、勉強させてもらうという姿勢で参加させていただくように」という校長先生のお言葉でお引き受けしました。持ち時間は5時間という長丁場です。正直言って私は自分の授業にかなりのお金と時間をかけており、授業作りのコアの部分(いわゆるノウハウ)を進んで他人に教えたりはしません。でも今回は別です。引き受けたからには、「役に立つ話」をしたいと思います。いつも観念的に行動しているので、自分の体験をまとめて体系化するにはちょうど良い機会だとも思いました。授業力向上のための本としては、岩田一彦『社会科授業研究の理論』(明治図書)といった本はありますが、一般的な話です(おまけに内容が古くなっていて役に立たない部分も:例えば「情報の理論」の章)。松江の研修は「高校の世界史の授業」に特化しています。この視点にひかれたのも事実です。

社会科授業研究の理論

社会科授業研究の理論

  • 作者: 岩田 一彦
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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コメント 4

aia

どちらも面白そうな試みですね。
しかし持ち時間5時間とは!頑張ってください。

授業を作るのは、どの教科を教えるのでも大変だとは思いますが、歴史は教え方が難しい教科だなと思います。下手をすると知識の詰め込みだけになってしまうだろうし、かといって教えるべきことは膨大にあるし…。

自分が高校生のときは気づかなかったけれど、それぞれの先生が自分なりのノウハウを持って授業をなさってんだなと思います。思い返すに、どの先生にあたっても、さほど内容は変わらない教科もあったけれど、歴史は先生によってずいぶん授業内容が違いましたから。
by aia (2007-04-15 19:54) 

zep

社会系の科目は教えるヒトによって内容がかなり違うでしょうね。ただ歴史認識に至ってしまうとかなり難しいことになりかねないので、どう折り合いをつけるかって点はいつも気をつけています。教師経験が長くなると色々な仕事が増えて、勉強する時間がなくなるので、それなりのノウハウが必要になります。
by zep (2007-04-15 20:16) 

aia

そう言われてみれば、高校のときの日本史の先生は、彼の歴史認識と表裏一体の授業をなさっていましたね。天皇のときは「崩御」、皇族のときは「逝去」、その他一般人(貴族)のときは「死亡」と言葉を使い分け(行幸なんて言葉も古文ではなく日本史で覚えたかも)、大化の改新を、「一般人の蘇我氏が天皇を刃にかけた」と怒りで涙目になりながら説明してくれて、ちょっとついていけない…と思ったものです。
授業ももちろん、天皇一家が活躍する平安時代までで終わってしまいましたし、興味がないせいか、彼の現代社会の授業は、教科書をそのまま読むだけ(苦笑)。
高3のときに、日本史じゃなくて世界史を選択したのは、彼の影響(?)もあったと思います。まぁ、結果的によかったですけれどね。
by aia (2007-04-16 23:34) 

zep

数学や理科など理系教科に比べると、社会系科目の授業は、個々の教師の「色」が一番出やすいと思います。教師は自分の解釈や認識に基づいて話をする場合が多いですから。ただこれからの歴史の授業が目指すべきなのは、「歴史認識を次の世代に伝える」という権威的スタンスではなく、「歴史に関わる言説=テクストを批評の対象として読む読者の育成」というスタンスではないかという気がします。これを「歴史理解」という形で提唱したのが山口大学の吉川幸男先生という方で、私はかなり影響を受けました。じゃあどうすればいいのか、って問われるとかなり困まりますが、歴史に関心を持ってもらうことと自分で考えることだという気がしています。そうした生徒を育てたい、といのが私の授業の目標です。
by zep (2007-04-17 21:08) 

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