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サハラ砂漠の岩塩 [モノ教材(その他)]

センター試験で出題された、サハラの塩金貿易貿易がらみの問題です。


 次の文中の空欄( ア )と( イ )に入れる語の組合せとして正しいものを,以下の①~④のうちから一つ選べ。
  8世紀ころから栄えた( ア )では,イスラーム交易圏の拡大に伴い,西アフリカの( イ )とサハラ砂漠の塩(岩塩)との交易が盛んになった。
  ① ア-ガーナ王国   イ-金
  ② ア-ガーナ王国   イ-木 材
  ③ ア-パルティア王国   イ-金
  ④ ア-パルティア王国   イ-木 材
(2008年年度 センター試験世界史A 第2問B)

 かつて遊牧民の宿営地であったトンブクトゥは,( 5 )王国やソンガイ王国の時代には,岩塩と金との交易で繁栄を極めた。ここにはイスラム諸学の学者が招かれ,宗教・学芸都市としてもその名は広く知られた。市の南西部にある(6)ジンガレイベル=モスクは,この都市の象徴となっている(次図参照)。このモスクの基礎部分は14世紀初めに築かれたが,その後,大幅に改築された。16世紀末に,この都市は干魃や洪水,疫病などの災厄に見舞われ,またサード朝モロッコ軍の攻撃を受け,荒廃した。(7)現存する建造物は,19世紀から20世紀にかけて再建されたと言われる。
ジンガレイベルモスク.jpg
問5 空欄 (5) に入れる国の名として正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
 ① モノモタパ ② クシュ ③ アクスム ④ マ リ
問6 次の地図中に記されたa~dのうち,下線部(6)の遺跡がある都市の位置を示す記号として正しいものを,以下の①~④のうちから一つ選べ。
アフリカの地図01.jpg 
① a   ② b   ③ c   ④ d

(2003年 センター試験世界史B 追試験 第2問B)






 塩金貿易で栄えたマリ王国のマンサ=ムーサ王(在位1312~37年)は、メッカ巡礼の際に金を湯水のごとく使ったため、カイロの金相場が大きく下落したというのは有名な話。センター試験でも「マリ国王マンサ=ムーサ(在位1312~37年)のメッカ巡礼はその豪華さでヨーロッパにも知られ,「カタルーニャ図」と呼ばれる世界地図にも記載された。」という文章がリード文にありました。(2001年度 世界史A追試験 第3問A)



岩塩.jpg

 アフリカのサハラ砂漠にあるマリ共和国のタウデニにある岩塩鉱床で採掘された岩塩です。アフリカの塩金貿易で使う教材です。「マリ共和国原産」というのが使えますが、浜島書店の資料集に写真が掲載されてるように、ここの岩塩は現在も板状で取引されています。重さはちょうど1キロ。大きさはボールペンと比べてみてください。

 Yahoo!のオークションでは、岩塩が数多く出品されていますが、その多くはヒマラヤ(うすいピンク色をしたものが多い)、そしてモンゴルやカスピ海など。サハラの塩金貿易の話をするときに、ヒマラヤの岩塩を持って行ってもなぁ.....ということでここは少々割高でもサハラ砂漠産の岩塩を手に入れたいところ。ということで見つけた購入先は、アフリカの雑貨や民芸品を扱っているお店「アザライ」[http://www.azalai-japon.com/]。
「アザライ」という名前の由来がお店のホームページに紹介されていますが、
[http://www.azalai-japon.com/lexique/a.html#azalai]
素晴らしいネーミングだと思います。このお店の店長さんは自らアフリカをまわって仕入れをなさっているということですが、質問や問い合わせにも丁寧に応じていただき、たいへんありがたいことでした。

 この 「アザライ」では、サハラの岩塩を300グラム単位で販売していましたので、「もう少し大きいのはないか」と問い合わせたところ、「現在手元にある所有する最大の岩塩は、重さが35~38kg、大きさは100~120×50~60×3~5㎝のもので、タウデニの岩塩鉱から切り出してラクダの背でトンブクトゥまで運ばれてきたままのものです。(食品ですので汚れを削り落としたりして多少小さくなっていますが)」とのこと。いくらなんでもこの大きさでは教室に持って行けません。おまけに値段は8.5万円+送料(3000~4000円くらい)!実は8.5万円というのもかなり割引の価格なんですが、それでもこの値段。ということで、1キロ分を削って譲っていただきました。値段は300グラム800円が現在1割引で720円、で100グラムあたり240円ということで2400円(プラス送料)でした。

 それにしても、40キロ近い重さの岩塩をアフリカからそのまま日本に持ってきたということに驚きました。

 お店のホームページには、サハラの岩塩について詳しく解説されています。
[http://www.azalai-japon.com/aliment/sel_taoudenni.html]

 購入前に「塩なので大気中の湿気を吸います。密閉した容器:たとえば丈夫なビニール袋などに入れておかないと最悪の場合表面から少しづつ溶け出してしまいます」というアドバイスをもらっていたので、 「Ziplocにいれて回覧させたい」と伝えたら、ラップで包装した上、わざわざZiplocに入れてお店のシールを貼って送っていただきました。

塩一般については、JTが運営している「たばこと塩の博物館」が詳しいです。
[http://www.jti.co.jp/Culture/museum/sio/index.html]

 


「アザライ」の店長さんからの追加情報です。

「地球塩の旅」(片平孝:日本経済新聞社刊)という写真集に
タウデニの鉱山、塩のキャラバンの写真がたくさん載っています。

とのことです。授業に使えそうですね。
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コメント 4

凡山

ゎ…センター全然わからない…アーガーナとかアーパルティアに至っては聞き覚えすら無い…(´;ω;`)世界史Aだから仕方ないということにしましょう←


日本だと塩と言えば粒状のものを思い浮かべてしまいますが、岩塩のようなブロック状のものだと金と交換っていうのも何だか頷ける気がしますね(。・ω・)


…えっと金であってますよね(^∀^;)??
by 凡山 (2009-05-23 18:10) 

zep

「ガーナやパルティアに聞き覚えがない」なんて.....そりゃあんまりですよ(泣)。正解はガーナ。リード文中に「アフリカ」ってあるでしょ。パルティアは「安息」って覚えてないですか?パルティアは3世紀にササン朝にとってかわられるイランの王朝なので、8世紀には存在していません。だから3世紀に滅ぶパルティアと、7世紀に成立するイスラームの交流はありえないね。

お茶の水に行った世界史係さんは一生懸命歴史の本を読んでるようです。凡山さんのことも伝えておいたので、連絡があるかも。会ったときはよろしく伝えてください。
by zep (2009-05-23 18:32) 

凡山

あっわかりました!! 「アーガーナ」じゃなくて「ア←選択肢…ガーナ」なんですね!!とんだ勘違い(x_x;)
ガーナとかパルティアの前身的な国の名前なのかと思いました←

世界史係さんにはまだ会えてないです(´・ω・`)今度連絡取ってみます!
by 凡山 (2009-05-25 20:33) 

zep

あーなるほど、確かにそう見えますね(笑)。安心しました。

世界史係さんは、イスラーム世界の砂糖について、色々と調べているようですよ。

熊本は先週末から高校総体が始まっています。今週の金曜日が開会式です。
by zep (2009-05-25 21:03) 

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