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石牟礼道子「葭の渚」 [現代社会ネタ]

体育大会の練習その他で、1年E組の現代社会の授業は、4月以来まだ2回しか実施してない。

現代社会の教科書は、環境問題から始まる。
1972年にスウェーデンのストックホルムで開催された 国連人間環境会議のことは必ず出てくる。
キャッチフレーズは、「かけがえのない地球 (Only One Earth)」。
しかし、この会議に故原田正純先生と胎児性水俣病患者の方が、
世界に向けて水俣病の悲惨さを訴えたことは触れられていない。

ユージン・スミス氏の撮った、白黒の写真を思い出す。
(子どもの頃ユージン・スミス展に連れて行ってもらい、家には写真集『水俣』があった。)

今日の熊本日々新聞掲載の石牟礼道子さんの「葭の渚」。
顔を見られたくない患者さんが、胸の上に置いた週刊誌様のものをもがくような手つきで立てて、顔を隠していたということが書かれている。
(「患者さん」という「さん」づけ表現に心打たれる)
自らを写真に撮らせる、という行為は、重い。

私は「世界史」(あくまで高校の科目名だが)の教師である。
だから、石牟礼さんの「世界史の動向を全身全霊ではかっている気持ち」という言葉を何度も反芻し、意味を考えてみる。
最後の一文、「こういうことが許されていけば、次の世代へ人柱は『合理化』という言葉で美化されていくだろう」言葉、深く噛みしめたい。
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