今年の高校入試「社会」の問題 [たんなる日記]
今年の熊本県の公立高校の「社会」の入試問題に、こんな問題がありました。
下線部②(注:「文明開化」)について、資料16はこのころの東京の町のようすをえがいたものである。わが国の文明開化おようすをあらわす特徴的なものを、資料16から読み取って二つ書きなさい。
資料16は、下の図ような絵。京橋と銀座の煉瓦造りの町並みをえがいた錦絵で、桜が咲く春の様子が描かれています。
使われたのは歌川広重の錦絵。詳細はこちら↓
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko10/bunko10_08408/index.html
ちなみに県教委発表の解答例は「れんがづくりの建物」「洋服」でした。
この問題とそっくりな問題がセンター試験で出題されたことがあります。日本史Aの2008年度本試験 第1問です。
次の文章は,明治初めの錦絵などを展示した展覧会での太郎さんと先生の会話である。この文章を読み,下の問い(問1~3)に答えよ。,
先生: この絵(図1)は,明治初めの錦絵だね。
太郎: 蒸気機関車が走っていますね。でもどうして電柱が立っているんですか?
先生: これは,当時の ア に利用されたもので,1871年には上海・長崎間が海底ケーブルで結ばれている。こうした絵は,開化絵とよばれた。(a)交通や通信の発達は,文明開化の象徴だったんだね。
太郎: 遠くにたくさんの船が見えますが,あれは蒸気船ですか。
先生: そうだね。でも,帆を張った和船も多いね。明治中期まで廻船にさかんに用いられたんだ。こっちに当時の蒸気船の絵(図2)があるよ。
太郎: 側面に水車のようなものがついていますね。
先生: これは外輪船といって,蒸気機関でこの外輪を回して進むんだ。
太郎: でも,蒸気船なのに帆を張っていますよ。
先生: このころの蒸気船は燃料の イ を節約するために,外洋ではなるべく帆走したんだ。
太郎: 無風や逆風の時には蒸気をおこすんですね。
先生: 風待ちをしないで済むし,入港しやすくなったんだ。技術の進歩によって,しだいに定期的な運航も確保できるようになる。(b)海外との交流の手段も大きく変わってきたんだよ。
「これは"似すぎ"だろ」と思うのは私だけかな? 高校入試に使われた図を子細に見てみると、センター試験の解答にも出てる「人力車」「乗合馬車」のほか、「ガス灯」なども見える。橋の横にいる人や左端で洋傘をさしている人など、「着物に洋靴」という人も見えるのは面白い。
ガス灯は、2011年度 本試験 日本史B 第1問 Bでも出題されている。
光 男: 江戸時代になると, ア からとった油が,家の明かりに使われたってね。経済が発達して,商品作物として栽培されたって,学校で習ったよ。
明 里: しぼった油を行灯(あんどん)行灯(あんどん)などに使ったのよ。それから明治初期の1874年に文明開化の象徴として,東京の銀座には街灯が設置されたわ。
光 男: その時の街灯は イ だね。
明 里: そう。燃料切れせず光りつづけたので,びっくりした人もいたそうよ。
光 男: 夜も明るくなると,便利だね。
明 里: でも,いいことばかりではないのよ。照明があると,深夜業がしやすくなるでしょ。深夜業は,(d)工場労働者の労働条件を悪くすることにつながるよね。
光 男: 照明の普及って,別の問題を生み出したんだね。
明 里: 現代になると,工業化も進展するし,家庭電化製品も普及したし,それに都市は夜中まで煌々(こうこう)と電気がついている。電気の消費量がずいぶん増えてきているわ。(e)発電に使われるエネルギーと環境との関係も気になるわよね。
光 男: じゃあ,ぼくももっと節電をしなくちゃね。
空欄のイに入るのがガス灯。
下線部②(注:「文明開化」)について、資料16はこのころの東京の町のようすをえがいたものである。わが国の文明開化おようすをあらわす特徴的なものを、資料16から読み取って二つ書きなさい。
資料16は、下の図ような絵。京橋と銀座の煉瓦造りの町並みをえがいた錦絵で、桜が咲く春の様子が描かれています。
使われたのは歌川広重の錦絵。詳細はこちら↓
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/bunko10/bunko10_08408/index.html
ちなみに県教委発表の解答例は「れんがづくりの建物」「洋服」でした。
この問題とそっくりな問題がセンター試験で出題されたことがあります。日本史Aの2008年度本試験 第1問です。
次の文章は,明治初めの錦絵などを展示した展覧会での太郎さんと先生の会話である。この文章を読み,下の問い(問1~3)に答えよ。,
先生: この絵(図1)は,明治初めの錦絵だね。
太郎: 蒸気機関車が走っていますね。でもどうして電柱が立っているんですか?
先生: これは,当時の ア に利用されたもので,1871年には上海・長崎間が海底ケーブルで結ばれている。こうした絵は,開化絵とよばれた。(a)交通や通信の発達は,文明開化の象徴だったんだね。
太郎: 遠くにたくさんの船が見えますが,あれは蒸気船ですか。
先生: そうだね。でも,帆を張った和船も多いね。明治中期まで廻船にさかんに用いられたんだ。こっちに当時の蒸気船の絵(図2)があるよ。
太郎: 側面に水車のようなものがついていますね。
先生: これは外輪船といって,蒸気機関でこの外輪を回して進むんだ。
太郎: でも,蒸気船なのに帆を張っていますよ。
先生: このころの蒸気船は燃料の イ を節約するために,外洋ではなるべく帆走したんだ。
太郎: 無風や逆風の時には蒸気をおこすんですね。
先生: 風待ちをしないで済むし,入港しやすくなったんだ。技術の進歩によって,しだいに定期的な運航も確保できるようになる。(b)海外との交流の手段も大きく変わってきたんだよ。
問1 空欄 ア イ に入る語句の組合せとして正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① ア 電 話 イ 石 炭
② ア 電 話 イ 石 油
③ ア 電 信 イ 石 炭
④ ア 電 信 イ 石 油
問2 下線部(a)に関して,明治初期の交通や通信について述べた文として誤っているものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
① 高橋是清が日本郵船会社を設立した。
② 新橋・横浜間にはじめて鉄道が開業した。
③ 人力車や乗合馬車が用いられた。
④ 飛脚に代わって官営の郵便制度が整えられた。
「これは"似すぎ"だろ」と思うのは私だけかな? 高校入試に使われた図を子細に見てみると、センター試験の解答にも出てる「人力車」「乗合馬車」のほか、「ガス灯」なども見える。橋の横にいる人や左端で洋傘をさしている人など、「着物に洋靴」という人も見えるのは面白い。
ガス灯は、2011年度 本試験 日本史B 第1問 Bでも出題されている。
光 男: 江戸時代になると, ア からとった油が,家の明かりに使われたってね。経済が発達して,商品作物として栽培されたって,学校で習ったよ。
明 里: しぼった油を行灯(あんどん)行灯(あんどん)などに使ったのよ。それから明治初期の1874年に文明開化の象徴として,東京の銀座には街灯が設置されたわ。
光 男: その時の街灯は イ だね。
明 里: そう。燃料切れせず光りつづけたので,びっくりした人もいたそうよ。
光 男: 夜も明るくなると,便利だね。
明 里: でも,いいことばかりではないのよ。照明があると,深夜業がしやすくなるでしょ。深夜業は,(d)工場労働者の労働条件を悪くすることにつながるよね。
光 男: 照明の普及って,別の問題を生み出したんだね。
明 里: 現代になると,工業化も進展するし,家庭電化製品も普及したし,それに都市は夜中まで煌々(こうこう)と電気がついている。電気の消費量がずいぶん増えてきているわ。(e)発電に使われるエネルギーと環境との関係も気になるわよね。
光 男: じゃあ,ぼくももっと節電をしなくちゃね。
空欄のイに入るのがガス灯。
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