『もうひとりのシェイクスピア』(ローランド・エメリッヒ監督、2011年、英独合作) [歴史映画]
2年生の世界史の授業は、いま絶対王政の単元。ウチが使っている資料集『グローバルワイド』(第一学習社)の巻頭には映画とマンガの特集があり、ケイト・ブランシェットの『エリザベス』が紹介されているので、この映画を使った授業を画策中。
今日は代休だったので、授業で使えそうな部分はないか....とシェイクスピアをネタにした映画2本『恋に落ちたシェイクスピア』と『もうひとりのシェイクスピア』のDVD(英語の先生から貸してもらった)を見たのだが、いずれも面白い作品だった。
『恋に落ちた....』でシェークスピアを演じるのは、ケイト版『エリザベス』の1作目で女王の相手役ロバート・ダドリーを演じていたジョセフ・ファインズ。エリザベス女王がジュディ・デンチで、ウェセックス伯がコリン・ファースなんだけど、ジュディ・デンチはともかく、コリン・ファースは「無駄な大物起用」という気がしないでもない。ネズミと戯れるジョン・ウェブスターが面白い。
一方『もうひとりのシェイクスピア』は、シェイクスピア別人説をベースにした歴史ミステリーの大傑作。監督が意外な?SFパニック映画の巨匠ローランド・エメリッヒ。設定が演劇仕立てで、主人公でシェークスピア作品の真の作者オックスフォード伯エドワードを演じていたリース・エヴァンスは、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』で女王暗殺のためにスペインのフェリペ2世が派遣したロバート・レストンを演じていた。エリザベス女王を演じていたヴァネッサ・レッドグレイヴは、同じく女王の若い頃を演じていたジョエリー・リチャードソンの実母。雰囲気似てる...と思ったら親子とは!CGで グローブ座の様子を再現してる点は、さすがSF映画の巨匠。演劇のシーンも、「当時はおそらくこんな感じだったんだろうな」と思わせる。ところどころにシェイクスピア好きにはニヤリのシーンもあり(若きオックスフォード伯が、義父ウィリアム・セシルにより使わされた監視役を殺すシーンが、『ハムレット』でポローニアスを殺してしまうシーンにそっくり)。シェークスピアが自分の紋章(coat of arms)を見せびらかすシーンでは、彼の実際の紋章(シェースピアのスピア=槍を使っている)が出てくるが、モットーの“Non sanz droict”(not without right:権利なからざるべし~古フランス語)を読めないのが面白い。。謎解き部分もかなり面白いが、ある程度歴史的な背景を理解していないと、回想シーンがたびたび織り込まれることも相まって、ストーリーを追うのは難しいように思われる。
公式サイト http://www.phantom-film.jp/library/site/shakespeare-movie/intro.html
両作品に共通する登場人物の一人が、エリザベス時代を代表するクリストファー・マーロウ。彼の死は謀殺という見方が一般的であり、それぞれの作品でどのように扱われているか比べてみるのも面白い。シェークスピアは俳優として、ベン・ジョンソンンの戯曲『十人十色』(1598年グローブ座初演)に出演していたとされる。
今日は代休だったので、授業で使えそうな部分はないか....とシェイクスピアをネタにした映画2本『恋に落ちたシェイクスピア』と『もうひとりのシェイクスピア』のDVD(英語の先生から貸してもらった)を見たのだが、いずれも面白い作品だった。
『恋に落ちた....』でシェークスピアを演じるのは、ケイト版『エリザベス』の1作目で女王の相手役ロバート・ダドリーを演じていたジョセフ・ファインズ。エリザベス女王がジュディ・デンチで、ウェセックス伯がコリン・ファースなんだけど、ジュディ・デンチはともかく、コリン・ファースは「無駄な大物起用」という気がしないでもない。ネズミと戯れるジョン・ウェブスターが面白い。
一方『もうひとりのシェイクスピア』は、シェイクスピア別人説をベースにした歴史ミステリーの大傑作。監督が意外な?SFパニック映画の巨匠ローランド・エメリッヒ。設定が演劇仕立てで、主人公でシェークスピア作品の真の作者オックスフォード伯エドワードを演じていたリース・エヴァンスは、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』で女王暗殺のためにスペインのフェリペ2世が派遣したロバート・レストンを演じていた。エリザベス女王を演じていたヴァネッサ・レッドグレイヴは、同じく女王の若い頃を演じていたジョエリー・リチャードソンの実母。雰囲気似てる...と思ったら親子とは!CGで グローブ座の様子を再現してる点は、さすがSF映画の巨匠。演劇のシーンも、「当時はおそらくこんな感じだったんだろうな」と思わせる。ところどころにシェイクスピア好きにはニヤリのシーンもあり(若きオックスフォード伯が、義父ウィリアム・セシルにより使わされた監視役を殺すシーンが、『ハムレット』でポローニアスを殺してしまうシーンにそっくり)。シェークスピアが自分の紋章(coat of arms)を見せびらかすシーンでは、彼の実際の紋章(シェースピアのスピア=槍を使っている)が出てくるが、モットーの“Non sanz droict”(not without right:権利なからざるべし~古フランス語)を読めないのが面白い。。謎解き部分もかなり面白いが、ある程度歴史的な背景を理解していないと、回想シーンがたびたび織り込まれることも相まって、ストーリーを追うのは難しいように思われる。
公式サイト http://www.phantom-film.jp/library/site/shakespeare-movie/intro.html
両作品に共通する登場人物の一人が、エリザベス時代を代表するクリストファー・マーロウ。彼の死は謀殺という見方が一般的であり、それぞれの作品でどのように扱われているか比べてみるのも面白い。シェークスピアは俳優として、ベン・ジョンソンンの戯曲『十人十色』(1598年グローブ座初演)に出演していたとされる。
2016-06-07 00:01
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