共同通信社配信記事「論考2017」 [現代社会ネタ]
熊本日々新聞4月15日付の文化欄「論考2017」は、公教育に携わる一人として、たいへん興味深い内容であった。執筆は、佐藤卓己先生(京都大学)。ロバート・パットナムの著作『われらの子ども』(創元社)を手がかりに、アメリカにおいて格差社会を助長したのが、教育システムであると指摘している。
かつて教育システムは格差を逆転するために機能していたが、子どもの貧困が社会問題となっている現状では、逆に固定化ないしは助長するようなシステムとして機能しているように思われる。この記事で注目したいのは、先に自民党の小泉進次郎議員らが提案した「こども保険」構想を、「国民が互いに信頼し協力し合って暮らすために不可欠な『社会関係資本』への投資」として評価している点だ。おそらく、子どもがいない世帯あるいは子育てを終えた世帯は反対するだろう。しかし、反対する人々に「では、年金や医療費をはじめとするあなたがたの社会保障関係費は、いったい誰が負担するのですか?」と切り返す材料となるのがこの記事であった。高校生のディベートには、かなり適した内容だと思われる。
ディベートや小論文では、相手を納得させなければならないが、その際有効なのは、統計データを示すことだ。佐藤先生によれば、引用されているパットナムの本は膨大な統計資料をグラフ化して説明しているという。前著の『孤独なボウリング』も同様な内容だということで、キーワードは「社会関係資本」。日本でも、地域コミュニティの崩壊が指摘されて久しいが、このままだとアメリカと同じ道を後追いするのでは?と思わせる内容の記事だった。
かつて教育システムは格差を逆転するために機能していたが、子どもの貧困が社会問題となっている現状では、逆に固定化ないしは助長するようなシステムとして機能しているように思われる。この記事で注目したいのは、先に自民党の小泉進次郎議員らが提案した「こども保険」構想を、「国民が互いに信頼し協力し合って暮らすために不可欠な『社会関係資本』への投資」として評価している点だ。おそらく、子どもがいない世帯あるいは子育てを終えた世帯は反対するだろう。しかし、反対する人々に「では、年金や医療費をはじめとするあなたがたの社会保障関係費は、いったい誰が負担するのですか?」と切り返す材料となるのがこの記事であった。高校生のディベートには、かなり適した内容だと思われる。
ディベートや小論文では、相手を納得させなければならないが、その際有効なのは、統計データを示すことだ。佐藤先生によれば、引用されているパットナムの本は膨大な統計資料をグラフ化して説明しているという。前著の『孤独なボウリング』も同様な内容だということで、キーワードは「社会関係資本」。日本でも、地域コミュニティの崩壊が指摘されて久しいが、このままだとアメリカと同じ道を後追いするのでは?と思わせる内容の記事だった。
コメント 0