茂木誠『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社) [歴史関係の本(小説以外)]
高校で世界史の授業を担当してると、経済の知識もけっこう必要になってくる。また経済関係のことを授業で話すとき、自分の頭の中ではわかっていても、いざ授業で説明しようとすると、わかりやすく説明でないということも珍しくない。出来る限り、わかりやすい「たとえ」を使って話すようにしているが(ブロック経済はなぜメリットがあるのか、など)、過去の事例を現在の世界経済にたとえて話したりすれば、理解が深まることも多い。そのため、一般向けの経済の入門書的な本を読んでおくと役に立つが、手ごろな本は意外と見つからないものである。
この本は、一般向けの経済入門書ながら執筆者は駿台予備校で世界史を担当している茂木誠先生。したがって、世界史的な切り口が多く、また表現も平易なので大変わかりやすい。
「なぜ1万円札には「1万円の価値」があるのか」「なぜ政府ではなく中央銀行がお金をつくっているのか」という発問は普通に使えそうだし、ナポレオン戦争とアヘン戦争ともにイギリスが勝者であったことを取り上げ、「グローバリズムは経済的強者に恩恵をもたらす」という話も使えそうである。穀物法&ジャガイモ飢饉とTPPとの比較も然り。迫害された民族は、財産を持っていつでも逃げられるように金融業者が多いとか、なるほどとと感じる。かつて中央公論社『日本の歴史』で紹介されていた、日露戦争の際にユダヤ系資本が日本の戦債を引き受けた話も、さらにウラのエピソードが紹介されていてちょっとビックリ。世界史授業のネタ本としてけっこう使える。
この本は、一般向けの経済入門書ながら執筆者は駿台予備校で世界史を担当している茂木誠先生。したがって、世界史的な切り口が多く、また表現も平易なので大変わかりやすい。
「なぜ1万円札には「1万円の価値」があるのか」「なぜ政府ではなく中央銀行がお金をつくっているのか」という発問は普通に使えそうだし、ナポレオン戦争とアヘン戦争ともにイギリスが勝者であったことを取り上げ、「グローバリズムは経済的強者に恩恵をもたらす」という話も使えそうである。穀物法&ジャガイモ飢饉とTPPとの比較も然り。迫害された民族は、財産を持っていつでも逃げられるように金融業者が多いとか、なるほどとと感じる。かつて中央公論社『日本の歴史』で紹介されていた、日露戦争の際にユダヤ系資本が日本の戦債を引き受けた話も、さらにウラのエピソードが紹介されていてちょっとビックリ。世界史授業のネタ本としてけっこう使える。
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