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ヴィスコンティ・スフォルツァ版②~キャリー・イェール・パック [コレクター道⑦タロットカード]

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 アメリカのイェール大学(コネチカット州)のベイネック図書館が所有しているデッキ。キャリー家のトランプ・コレクションのひとつだったことから、「キャリー・イェール・パック」ともよばれる。このパックはミラノ公フィリッポ・マリア・ヴィスコンティ(1392~1447)の依頼で作られたという説があり、彼は「ピアポント・モルガン・パック(ベルガモ・パック)」を作らせたとされるフランチェスコ・スフォルツァ(1401~1466)の舅にあたる。フィリッポ・マリア・ヴィスコンティの娘ビアンカ・マリア・ヴィスコンティとフランチェスコ・スフォルツァが結婚したことで「ヴィスコンティ・スフォルツァ」となった次第。以上の来歴から、「キャリー・イェール・パックは、ピアポント・モルガン・パックよりも古い」という説もあり、だとするとこの「ヴィスコンティ・スフォルツァ版のキャリー・イェール・パックが最古のタロット」ということになる。しかし大アルカナは11枚しか残存せず、全67枚がすべてで、私が持っているU.S.GAME社製も別のカードを補ってある。キャリー・イェール・パックとピアポント・モルガン・パックを並べてみると、同じヴィスコンティ・スフォルツァ版でも「似てるけど違う」という感じが興味深い。

イェール大学ベイネック図書館のキャリー・イェール・パック
http://beinecke.library.yale.edu/collections/highlights/visconti-tarot


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キャリー・イェール・パックとピアポント・モルガン・パックの「魔術師」と「恋人」。いずれも左側(若干サイズが大きい方)がキャリー・イェール・パック。魔術師の服のデザインや、恋人の頭上のクピド(キューピッド)などはよく似ている。 キャリー・イェール・パックの「恋人」には、パラソルにヴィスコンティ家の紋章ピジョ-ネ(人を飲み込む大蛇)が見える。このピジョーネの紋章はスフォルツァ家に受け継がれ、ミラノに本社を置く自動車メーカー、アルファロメオの社章にも使われている。





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