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『グレースと公爵』(エリック・ロメール監督、2001年、フランス) [歴史映画]

 大串夏身『DVD映画で楽しむ世界史』(青弓社)の中でフランス革命を描いた映画として紹介されており、観たいと思っていたが現在は絶版。最近DVDを手に入れたが、正直ちょっと「期待はずれ」だったかも。

 スコットランド生まれの女性グレース・エリオット(1754~1823)の自伝的小説『グレースと公爵』を映画化した作品。フランスの王族オルレアン公フィリップ(七月王政のルイ・フィリップの父)の愛人となってフランスに渡り、オルレアン公との関係が終わった後もフランスで暮らした。この映画はフランス革命を王党派だったグレースの目を通して見たもので、「劇薬」としての革命の側面をよく描き出している。数々の危機を知恵と度胸で切り抜けるグレース役のルーシー・ラッセルと、胡散臭いイメージのオルレアン公を好人物に演じたジャン=クロード・ドレフュスの演技が素晴らしい。またくすんだ独特の画面が印象的で、これは忠実に再現した当時のフランスの風景をCGで合成したとのこと。ラストで査問されていたグレースを救うのはロベスピエールで、彼は証拠の手紙を読むために眼鏡をかけるが、マンガ『ナポレオン~獅子の時代』(長谷川哲也)に出てくるロベスピエール風の外見。
 ストーリーがやや難しいため授業で使うには少し厳しいが、フランス革命の「劇薬」的な部分を感じさせるにはよいかもしれない。



グレースと公爵 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD



グレースと公爵 (集英社文庫)

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  • 作者: グレース エリオット
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 文庫



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