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NHK『クローズアップ現代』~「ヨーロッパからの“新しい風”【4】教育で国の未来を切り開け」 [その他]

 NHKテレビの『クローズアップ現代』、今週は国谷キャスターがヨーロッパからレポートです。今夜の特集は「教育で国の未来を切り開け」。
 イギリスでは学力向上を目指し、学校に競争原理を導入しています。給食の時間、成績が良い生徒は先生の隣に座り、ケーキやジュースをもらってました。一方でこうした競争原理の導入に伴い、学力格差が表面化したので、ブレア政権は教育費大幅に増額し、教員の数を増やしたとのこと。テレビで紹介された小学校では、20人のクラスに先生が5人!個別指導も行ってました。
 「学力世界一」のフィンランドの教育も紹介されていました。フィンランドの場合、1991年のソ連崩壊にともない経済が急速に悪化、人的資源を育成するための投資として教育重視の政策を打ち出したとのこと。大きな点は、地方行政と各学校に、カリキュラムや教育内容をはじめとする決定権をすべて委譲したこと。改革を担当した当時の教育担当大臣が「教育とは本来個人的な営み」と語ってましたが、それを支援するのが教師だという考えのようでした。フィンランドでは教員養成大学に入れるのは希望者の10人に1人で、教師になるためには修士課程を修了した上で半年間の教育実習が必要だそうです。こうして優秀な教師が育成されていく、というわけです。もちろん、あまりの厳しさに途中で脱落していく人も多いとか。フィンランドでは修学前教育も、充実していました。なるほど、という感じですが、1クラス当たりの児童・生徒が多い日本では、まずムリなやり方です。OECDのPISA担当者曰く「突如起こる問題にどう対処するかが重要、知識の記憶は人間よりもコンピュータのほうが優れている」だって。

 ヨーロッパ的な価値観にムリに合わせる必要はまったくないでしょう。教育に対する国家予算が倍増するならまだしも、現状ではそのままのやり方を続けるのが一番いいように思います。そもそも先生たちが極めて忙しい日本が、高いレベルの学力水準を保っているのは奇跡に近いのでは?先日本校に講演に来られた池田香代子さんが、「日本の医療と教育は、コストパフォーマンスが極めて高い」とおっしゃってましたが、たしかにその通りかも。


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大学入試センターが発行している『大学入試フォーラム』は面白い [その他]

 今週末はセンター試験。受験生の皆さん、風邪などひかぬように。
 大学入試センターが発行している広報誌『大学入試フォーラム』ってご存知ですか?進路指導部長のK先生から「面白いよ」と、2007年12月発行のNo.30を見せていただきました。この号には「出題ノート」として日本史のセンター試験出題者の方の文章が掲載されていますが、これが実に面白いのです。公開できるギリギリの線まで踏み込んでいるという印象で、「誰がどんな風にセンター試験の問題をつくっているのか」という我々の関心には十分応えられています。執筆者は佐々木馨先生という北海道挙幾大学の先生ですが、語り口は真面目ながら内容はユーモアに満ちており、笑いを誘うこともしばしば。内容もさることながら文章も素晴らしいと思います。一読の価値有り。


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手段としての歴史教育 [その他]

 『中学校・高校の“優れた社会科授業”の条件 (優れた社会科授業の基盤研究2) 』(明治図書)では、よい歴史の授業の指標として、次の2点があげられています。
 ①「歴史で何らかの社会的な見方・考え方を教えようとしている」
 ②「歴史と現代社会との関連性を意識させようとしている」
 「歴史を現代社会理解のための手段」とする授業は、こうした観点から注目されているのだろうと思います。が、私が目にした「歴史を手段化した授業」(3つほどですが)を見る限り、よくできた授業だとは思いますが「なぜ歴史の授業でやらなければならないのか」という必然性はあまり感じられません。むしろ公民科目でやるべき内容なのでは?と感じてしまいます。学ぶ価値ある歴史の授業をつくろう、という姿勢は十分理解できますが、逆に「歴史の授業が必要なのか」という点で、考え込んでしまうわけです。私自身は、歴史は手段ではなく事象そのものの面白さを伝えていくべきだと思います。
 「単に『興味・関心が高まって面白かった授業』というのでは、何か肝心なものが抜けている」というのは正論です。でも、「教育に理想は必要だが、タテマエの議論でどんなに理想を説いても現実の打開にはつながらないのではないだろうか」(ある歴史教育学者の方の文章より)と、最近真剣に思ってます。


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藤田英典 『教育改革のゆくえ』(岩波ブックレット No.688) [その他]

 冬休みにはいり、ようやく時間ができたので後回しにしていた本を読むことに。まずは岩波ブックレットの編集担当Tさんからいただいた『教育改革のゆくえ』。他の学校の状況は分かりませんが、少なくともウチの学校では「教育改革」が話題になることはほとんどありません。そんな時間などありませんから。そういうわけで、「やりたい人が勝手にやっとけばいいじゃん、俺たちそんなこと考えてるヒマなんてねぇんだよ」的な自分としては、かなりインパクトある一冊でした。

 いちばん面白かったのは、文部科学省による「教育の危機」の捉え方について、その捉え方と論理構造の矛盾とが指摘されている箇所。そしてTIMSSとPISAの結果の検討。「PISAっていう国際的な学力テストの成績が芳しくなかったため、日本はゆとり教育をやめようとしている」くらいの認識しかなかった私には、まさに目からウロコが落ちる思い。教育格差と「リッチ・フライト」を実感している私としては、自分が今の学校で毎日やってることを顧みるという意味でも、価値ある一冊でありました。

教育改革のゆくえ―格差社会か共生社会か (岩波ブックレット)

教育改革のゆくえ―格差社会か共生社会か (岩波ブックレット)

  • 作者: 藤田 英典
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本


ギニュー特戦隊の「ギニュー」は「牛乳」って知ってた?


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サーマーン朝の成立年代 [その他]

 今日の5限目に2年8室(体育のあとの午後2時間目という実に素敵な時間帯)で授業していて気づいたのが、サーマーン朝の成立年代が山川の用語集では875年となっていること。私の高校時代は確か「874年成立」だったはずで、「話(874)のわかるイラン人」と覚えた記憶がある。調べたら、山川の『詳説』では旧課程版でも875年になっている。来年から採用する東京書籍も875年.....なんだけど、東書は世界史Aの教科書では874年になっている。帝国書院の『タペストリー』に至っては、112ページが874年で291ページが875年。Wikipediaで調べたところ、どうも875年とした方が妥当な記述になっている。真相はいかに。


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授業力向上セミナー(島根県立松江教育センター) [その他]

 22日(月)、島根県の島根県立松江教育センターで行われた「高等学校地理歴史科(世界史)授業力向上セミナー」の講師を務めました。翌23日は受講した先生方の模擬授業を見学させていただき、とても勉強になった2日間でした。
 この「授業力向上セミナー」は、平成元年から平成9年までの間に島根県の公立高校に採用された先生方は全員参加する悉皆(しっかい)研修だということで、年齢的経験的に私とあまり変わらない先生方ばかり。もしかすると、私みたいなのが講師ということでガッカリされたかも。私がしたのは、普段こんな事を考えて授業やってます的な話で、「これなら自分にもやれる」という気持ちをもっていただけたら幸いです。センターで担当の指導主事の先生がかなり一生懸命に準備と気配りをしていただき、有り難い二日間でした。


島根出張で撮った写真

松江ニューア-バンホテル・本館


 私の持ち時間は午前1時間、午後3時間40分と5時間近くもあったので、レジュメだけでは間が持たないと思い、パワーポイントでスライドをつくっていきました。パワーポイント使用時に使ったのが、バッファローの「空間マウス」。Yahoo!のオークションで6250円でした。本当はマイクロソフトの「Microsoft Wireless Notebook Presenter Mouse 8000」が欲しいところですが、このマウスについているレーザーポインタ機能が日本の規制に沿っていないということで、現在日本国内では流通していません(並行輸入品が1万円以上の価格で出回っている)。またウチの学校で買ったのは、コクヨのプレゼン用USBマウス(受信機収納タイプ)ですが、これだと普段使う機会はあまりなさそうで汎用性に欠けます。

 はるばると島根まで持っていたのが、「3Dマウス」(けっこう重い)。Google Earthを使うときにあると、かなり面白いマウスです。普通のマウスと違って、同時に二つの動き(特定の方向へ移動しながら接近する、など)が出来るので、実際に時分が動いているような感覚になります。ただ、使いすぎると車酔い状態になってしまうことも。先日社会科準備室に掃除に来た3年4室の生徒に見せたところ、Google Earthの最新版は日本語化され建物が3D表示されることもあり、かなりおもしろがってくれました。


Google Earthで見た熊本高校


 買ったものの忙しくてなかなか見ることができなかったDVD『300(スリーハンドレッド)』を見ようと思ったところ、ディスク1の冒頭からブルーレイディスクだのHDDVDだのの宣伝や、『ゾディアック』などの予告が延々と続き、スキップも不可能。もしかしてレンタル用とディスクを間違って出荷したのではないかな?


BUFFALO 多機能無線マウス BOMU-W24A02/BL

BUFFALO 多機能無線マウス BOMU-W24A02/BL

  • 出版社/メーカー: バッファロー
  • 発売日: 2007/03/31
  • メディア: エレクトロニクス
3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator PE (Personal Edition) SNPE

3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator PE (Personal Edition) SNPE

  • 出版社/メーカー: 3Dコネクション
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: エレクトロニクス
3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator SE (Standard Edition) SNSE

3Dconnexion 3Dマウス SpaceNavigator SE (Standard Edition) SNSE

  • 出版社/メーカー: 3Dコネクション
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: エレクトロニクス
Microsoft WIRELESS NOTEBOOK PRESENTER MOUSE 8000 9DR-00003

Microsoft WIRELESS NOTEBOOK PRESENTER MOUSE 8000 9DR-00003

  • 出版社/メーカー: マイクロソフト
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: エレクトロニクス
KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1(ハンディタイプ, パワーポイント操作機能, レシーバー収納式)

KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1(ハンディタイプ, パワーポイント操作機能, レシーバー収納式)

  • 出版社/メーカー: コクヨ
  • 発売日: 2004/07/31
  • メディア: エレクトロニクス
KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能)

KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能)

  • 出版社/メーカー: コクヨ
  • 発売日: 2005/04/21
  • メディア: エレクトロニクス


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「教師力養成塾」(早稲田アカデミー)と「教師力向上プログラム」(筑波大学)の共通点 [その他]

 鹿児島に旅行に行ったとき、子どもが「探偵学園Q」なる番組を見ていたので一緒に見ていたら、仮面ライダーG3-Xの氷川誠主任こと要潤が出てた。彼は以前、院内学級をテーマにした番組にも出演していた記憶があるので、平成になって仮面ライダーを演じた俳優では、オダギリジョーに次ぐ成功例かもしれない......

 という話はさておき、そのあと「NEWS ZERO」を見ていたら、早稲田アカデミーが実施している「教師力養成塾」が紹介されていました。代々木ゼミナールの「学習指導スキル研修プログラム」と違って、授業以前の「学習するための雰囲気づくり」の方法がおもな内容だと思われます[http://www.nakahara-lab.net/blog/2007/04/post_843.html]。代ゼミの教師向け講座にはあまり関心がないが(今年は講師が祝田秀全氏だったので例外)、早稲田アカデミーの講座は参加してみたい気がします。講座の内容すべてが、すぐに使えるというわけではないでしょうし、私立や塾と違って公立学校の場合、場合によっては授業以前の「出席させる」「着席させる」「教科書その他の準備をさせる」だけでも一苦労、気づいたら授業時間の半分が過ぎていた.....という笑うに笑えない状況もあります。が、公立には転勤がありますから、学んだことがいつかは役立つかもしれません。使える部分だけを取り出してもいいと思います。様々な指導法を学んで、その中から自分にベストフィットする方法を選ぶというのが教師の主体性だという気がします。私の個人的な意見では、テレビに登場していた先生は、「生徒の目線で」というスタイルを変える必要はないと思いますね。逆に私がその先生の真似をしても、生徒はついてこないでしょう。生徒は、そうした違和感は敏感に感じ取るような気がします。

 筑波大学の大学院で、学校の教師向けに教師向けに 「高度な授業力育成のための授業開発」[http://www.kyouiku.tsukuba.ac.jp/gp/index.html]というプロジェクトが実施されていますが、「教師力向上プログラム」として実施された講演会の講師は、現役の俳優と歌手の方[http://www.kyouiku.tsukuba.ac.jp/gp/img/poster.pdf]。「教室は舞台~教師に求められる演技力要請講座」という演題です。早稲田ゼミナールの教師力養成塾と似たコンセプトのような気がします。教師にもパフォーマーとしての資質が求められる世の中になっているようです。

 他の教科・科目に比べて、歴史の授業では、教師の「語り」がかなり大きなウェイトを占めています。それだけに、授業の内容以前の教師の気配りはかなり大切。本間昇著『歴史の授業の展開』(あゆみ出版)という本では、「歴史授業のための20話」として、「聞く子は育つ 大切な授業態度」「まずエンジンをかける 授業の導入について」「紙芝居屋さんを見習う 語り上手になろう」「話の乱れは頭の乱れ 話し上手なるひけつ」「人を見て法を説け 話・説明・講義の区別」など、教師の「演出」に関する話が並んでいます。こうしたスキルは、授業の内容と、いわば車の両輪とも言えるのではないでしょうか。  テレビをみていて驚いたのは、都内の私立高校の職員全員で参加するという話。地方の公立高校の講師は、経済的だけでなく物理的にも参加することは難しいように思います。これも格差?


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上田小次郎『公立炎上』(光文社) [その他]

 著者は現役の高校の国語教師で、現在休職中らしい。幸い私はこの本に書かれているような事例に遭遇したことはまだないですが、これが事実だとすれば日本の未来は暗い。教師を中心テーマにした第2章と第3章が興味深いところですが、「指導力不足教員にはコストがかかる」という指摘は、確かに事実だと思います。

 昨年10月に福井大学で開催された全国社会科教育学会で、モンゴルによって形成されたネットワークをテーマにした世界史の授業の発表があったようです。大変興味があります。どのような授業だったか、どなたかご存知の方ご教示を。こうした発表とか報告は、目にすることが難しいのが現状なので、レジュメ等まとめて閲覧できる場があれば重宝するんですけどね。発表した人も、色々と意見をもらえるのは有難いと思うのではないでしょうか?ネット上なら可能だと思います。

 来月は教育実習が始まります。今年私の担当予定だった学生が、今日になって辞退とのこと。個人的には仕事が減ったので少々嬉しい気もします?が、やむを得ない事情ならばともかく、この時期になって辞退というのは、どうも配慮を欠いているとしか思えません。

 今日社会科準備室で話題になったのは、教科書『諸説世界史』におけるペロポネソス戦争の記述。「前ギリシア世界は、おもに民主政ポリスを中心とするアテネ側と、貴族政ポリスを中心とするスパルタ側の二陣営にわかれてたたかうことになった。」スパルタ以外に貴族政をとるポリスがあったのか、という疑問。どうもスパルタというのは特殊なポリスというイメージがあったのですがね。ペロポネソス同盟に参加していたポリスとしては、コリントスが有名ですがこれも貴族政だったのでしょうか。

公立炎上 Death of the Public Education

公立炎上 Death of the Public Education

  • 作者: 上田 小次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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資料集を比べてみると [その他]

 ヨーロッパには、ゲルマン系・ラテン系・スラヴ系の3民族が中心だ、ということで世界史の資料集には、それぞれの民族を代表する有名人の写真を使っている資料集があります。

 まず浜島書店。浜島はこれまで女子テニス選手(ゲルマン系のシュティフィ=グラフ、ラテン系のアランチャ=サンチェス、スラヴ系のエレナ=ドキッチ)だったのが、今年度版から「往年の名女優」に変更。ゲルマン系がイングリッド=バーグマン、ラテン系ソフィア=ローレン、スラヴ系ナタリー=ウッドというラインナップです。これはたぶん、とうほう(東京法令出版)を意識したものだと思います。とうほうが使っているのは、「現在の女優」。ゲルマン系グウィネス=バルトロウ、ラテン系ペネロペ=クルス、スラヴ系ミラ=ジョヴォヴィッチというラインナップです。ミラ=ジョヴォヴィッチ以外は、知名度がイマイチのような気がしますけど。
 これら「女優組」に対して、第一学習社はサッカー選手を起用。昨年度版は、ゲルマン系オリヴァー=カーン(ドイツ代表)、ラテン系ラウル(スペイン代表)、スラヴ系モストボイ(ロシア代表)でした。今年度版は、ゲルマン系シュバインシュタイガー(ドイツ代表)、ラテン系クリスチアーノ=ロナウド(ポルトガル代表)、スラヴ系シェフチェンコ(ウクライナ代表)に変更されていますが、3人ともよく知らない.....。こういうマニアックな選択は、かえって逆効果のような気もしますが。

 昨日は本校でも転退任式が行われました。今年は19名の先生方が離任と、例年以上に多い異動でした。社会科(地歴公民科)関係では、公民のI先生が教頭先生としてご栄転、そして本校OBでもあられる地理のF先生が、通算30年以上にわたるご勤務を終えられて退職なさることになりました。ご健康とご活躍をお祈りいたします。夜の送別会では、幹事長の公民T先生の挨拶もよかったです。新婚のT先生、奥様(って言い方はよくないのかな)がご勤務の学校も同じホテルで送別会だったようです。

 校門の桜の花も、美しく咲きました。先生方を見送っているかのようでした。あまりに綺麗だったので、写真を撮って学校のホームページに載せました。その写真です。


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「天然の美」 [その他]

 「天然の美」という曲を知ってますか? タイトルだけではピンとこなかったものの、メロディーを聞いたら「あれか」という曲でした。チンドン屋さんがよく演奏してた曲で、少々哀感ただよう曲。あがた森魚の「赤色エレジー」は、多分この「天然の美」をモチーフにしたものでしょう。
 今日の5限目は一年生の総合的な学習の時間で、5人の外部講師を招いての講演会でした。授業の入れ替えをして聴きに行ったのが、姜信子さんの講演。数年前に娘さんを担任させてもらったことがあり、活動は存じ上げていたものの、講演をきかせてもらったのは初めて。
 今日のお話は「天然の美」を追って日本から中央アジアにまで旅をしたというお話。中央アジアでなぜ日本のメロディーが?「天然の美」を中央アジアでいまだに歌い継いでいるのは、コリョサラムとよばれる人々。朝鮮半島が日本の植民地だったころ、半島北部から沿海州に移り住んだ人々で、1937年にスターリンによって沿海州から中央アジアへ追放された人々です。こうしたコリョサラムの人や、チェチェンの人との出会いが紹介されました。[http://chechennews.org/chn/0404.htm]
 テレビや新聞で姜さんの取材活動は割と知られていたと思いますが、これを今の高校一年生にどう話すかというのは、かなり難しかったと思います。講演終了後の控室で、姜さんがふとおっしゃった「高校生に話すって難しいですね」とおっしゃった中の「難しさ」は、もしかすると私が最近世界史の授業で感じている「難しさ」と通じる部分があるかもしれません。私としては、今日姜さんが話したようなことに何らかの関心を持つことが出来るか、ないしは得るものがあったかを問いたいという気がします。今日は熊本県の公立高校合格発表でしたが、4月から高校生となる皆さんには、敏感なアンテナを持っておいて欲しいということです。
 講演の終わりに姜さんがおっしゃった、「今日の話は、分からなかったということが大切だ」という言葉、今日講演を聞いた諸君はどう感じたのでしょう。私は、自分が知らないことが世の中にはたくさんある、むしろ知らないことの方が多い、ということを知ること、そしてそれを理解しようとする姿勢が大切だ、という意味に解釈しました。もちろんこれが正しいワケではありません。「どういう意味だろう」と自分で考え、疑問を持つことでしょうね。私が尊敬する鈴木亮先生から生前にいただいたメールに、「私の書いていることを鵜呑みにせず、常に疑問を持って下さい」と書かれていたことを思い出します。既成の枠組みにとらわれない、ということはそのために必要なのかも。もっとも恐ろしいのは、その枠組みの存在すら気づかない、ということかもしれません。

追放の高麗人―天然の美と百年の記憶

追放の高麗人―天然の美と百年の記憶

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 石風社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本
ごく普通の在日韓国人

ごく普通の在日韓国人

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1990/06
  • メディア: 文庫
安住しない私たちの文化―東アジア流浪

安住しない私たちの文化―東アジア流浪

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 単行本
ナミイ!―八重山のおばあの歌物語

ナミイ!―八重山のおばあの歌物語

  • 作者: 姜 信子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本


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