馬蹄銀 [モノ教材(貨幣)]
ヤフオクで2650円(上:約380g)と2000円(下:約46g)。大きい方には「宣統」、小さい方には「状元」の文字があります。状元とは、科挙の殿試における主席のことです。アヘン戦争前夜、アヘン問題が清朝で真剣に取りあげられるようになったのは、アヘンなど吸わないごくふつうの人民も税金を払えなくなったからです。当時の清朝では地丁銀制のもと、税金は銀の重量によって表示されていましたが、一般の人民が普段用いているのは銅銭でしたから、実際には銅銭で納めることになります。乾隆帝以前には銅銭700文を銀一両に換えていましたが、それが銀の流出増加によって、次第に800文、900文と上がっていきます。そして道光十年(1830)すぎには銀一両が銅銭1200文になり、さらにアヘン戦争のころには2000文までなったといいます。つまり税額が一定でも銀価が3倍になれば、農民にとっては税金が3倍になったことに等しかったわけです。
「馬蹄銀」に関する追加情報 [http://zep.blog.so-net.ne.jp/2006-09-10]
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