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『無敵艦隊』(ウィリアム・K・ハワード監督、1937年、イギリス) [歴史映画]


 原題は『Fire Over England』。いわゆるパブリック・ドメインの映画で、近所のスーパー「ダイレックス」で360円で買ったDVD。主演が名優ローレンス・オリヴィエ(『スパルタカス』のクラッスス)、相手役が『風と共に去りぬ』でスカーレットを演じたヴィヴィアン・リーということで、タイトルと出演者に期待して買ったらこれが大ハズレの作品。一応最後まで観たけど、観る価値はまったくなかった。最後が予想できるうえ、演出も今ひとつ。ローレンス・オリヴェの演技も優男で軽すぎる。当時としては面白かったんだろうけど、現在では観るべきものはまったくない。唯一世界史からみで興味深いのは、新大陸原産のジャガイモを「珍しい」といって料理するシーンくらい。唯一存在感を感じるのはエリザベス1世。演じているのは、チャールトン・ヘストン主演の『北京の55日』で西太后を演じたフローラ・ロブソン。
 概要はキネ旬DBをどうぞ。[http://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=each&id=15593]
 こちらのサイトも面白い。[http://britannia.cool.ne.jp/cinema/title/title-mu.html]

 映画中ドレークがカディス港を襲撃したという話がでてきます。世界の歴史教科書『イギリス3』(帝国書院)によると、これはアルマダ海戦の前年の1587年4月のこと。ドーレクは23隻の船隊を率いてカディス港を奇襲、60隻の補給線を破壊し、帰路には宝船サン・フェリペ号を拿捕するのですが、これはエリザベス時代にイングランド人が押収した最も高価な獲物であったといいます。しかしこのときドレークがしたことで最も重大な結果をもたらしたのは、数千にものぼる木製の樽を破壊したこと。というのも、翌年スペインの「無敵艦隊」(アルマダ)がイングランドと戦った際、まだ乾燥が十分でない木で作った樽を使用したため、食料や飲料をだめにするという結果を招いた、ということです。

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コメント 2

オガピー

またまたお邪魔します。私もこの「無敵艦隊」を所有していまして、1昨年度授業の中で一部みせました。授業がおろそかなため、時々視聴覚教材を使用してごまかして!?いるのですが…。さて、どの部分をみせたかというと、先生もご指摘のとおり、「存在感を感じる」エリザベス女王が、戦地の前線に行って兵士たちを鼓舞するシーンです。劣勢にあったイギリスがスペインに勝利しその後の形勢を逆転していった…という風につなげました。じっくり見ていませんでしたが「じゃがいも料理が珍しい…」というシーンは気がつきませんでした。今度よく見てみます。
by オガピー (2007-01-11 12:21) 

zep

「じゃがいも」のシーンは、ローレンス・オリヴィエが彼の父親の友人であるスペイン貴族ドン・ミゲルの家でかくまわれているとき、ドン・ミゲルの娘エレナと(シンシアという恋人がいるにもかかわらず)いちゃついている場面で出てきます。彼の父親が火あぶりになる煙を見つけるところです。父親が焼かれているときに、こちらは仲良くジャヤガイモを焼いていたということで、マイケル君はショックを受けるわけですが、どうも彼は反省が足りないような気がしました(笑)。エリザベスの演説は史実のようですね。内容まではちょっと確認しませんでしたが、これでイングランド軍は大きく士気があがったようです。
by zep (2007-01-11 18:18) 

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