青池保子『修道士ファルコ』 [マンガ]
これはかなりの快作。中世の修道院を舞台に(といっても主人公は修道院の外で活躍することが多いのだが)、いたって真面目でありながら、本人の意志とは無関係に俗世との関わりが続いてしまうシトー派修道士の活躍を描いた作品。綿密に取材されていて考証も確かなうえ、謎解き&活劇の要素もあって楽しめます。短編集的なところも、読みやすさの理由でしょう。修道院が舞台のミステリーというと、『バラの名前』ですが、この作品は暗くなく、明るくてコミカル。登場人物のキャラクターも個性的です(主人公とその周辺の美形キャラの顔は皆似ている.....というか同じだけど:それが青池作品の真骨頂だというのが伊東比呂美さんの弁)。
作者の青池保子さんにはヨーロッパ中世を舞台にした作品が多く、どれもよくできています。青池さんといえば最近『アルカサル~王城』が完結したばかりですが、アルカサルの主人公、カスティリャ王ドン=ペドロもこの『修道士ファルコ』Chap.1に客演しています。
コメント 0