先史の世界 [授業ネタ]
今週はとても長く感じました。やはり月曜日から新学期というのは、一週間が長く感じられます。
今年は1~3年生全学年に授業に行きます。2・3年はすでに授業を何回かやりました。2年生は先史時代からです。先日、アウストラロピテクス属では最古の420万年前と推定されるアナメンシス猿人(アウストラロピテクス=アナメンシス)の化石が新たに発見された、というニュースがありました。[http://www.asahi.com/science/news/TKY200604120428.html]朝通勤途中に聞いたNHKラジオのニュースで知ったのですが、朝日新聞の記事が一番詳しかったようです。世界史の教科書に載っている最古の猿人は440万年前のラミダス猿人(アルディピテクス=ラミダス、山川の用語集では①)ですが、今回発見されたアナメンシスは、このラミダス猿人と340万年前アファール猿人(アウストラロピテクス=アファレンシス、ビートルズの曲「Lucy in the sky with diamond」に由来する「ルーシー」というネックネームの化石で有名)との中間に位置する化石とのこと。これは臼歯の大きさから判定されたということですが、臼歯が大きくてエナメル質が厚いというのは進化のメルクマールなんですね。
これまで人類の化石としては、2000年にケニアで発見され、600万年前と推定されるオローリン猿人(オローリン=トゥゲネンシス)、さらに2002年7月にチャドで発見された約700万年前と推定されるトゥーマイ猿人(トゥーマイとは「生命の希望」の意で、学名はサヘラントロプス=チャデンシス)などがありますが、朝日新聞に載ってた諏訪元・総合研究博物館教授の図によれば、オローリン原人やトゥーマイ猿人は、人類の祖先かどうかは不明だということです。つまりラミダス猿人とアファール猿人を結ぶ化石が見つかったことで、人類の進化の道筋がラミダス猿人までさかのぼれるようになった、ということですね。
旧石器時代の生活物資獲得方法は狩猟、採集以外にないんですか?
by 高校生 (2006-05-18 19:06)
基本的には採集生活(狩猟・漁労を含めて)だと思いますが。その意味ではやはり、土器は一般化しているのに農耕は一般化していない縄文時代は、世界の一般的な区分に合致せず、極めて興味深い。世界最古の縄文土器は、やはり貯蔵ではなく、調理に使ったと考えた方がよさそう?
by zep (2006-05-18 21:22)
ありがとうございました
by 高校生 (2006-05-25 19:34)