『墨攻』 [授業ネタ]
二年生は今中国史。一年生も中国古代の思想が終わったところです。『草濫』(ウチの学校の図書館報)でも中国史関係の話が続いていますが、確かに面白い人物が多いですね。中国史関係のマンガでは、やはり横山光輝の『三国志』(家に置き場所がなくて、社会科準備室に置いてる)が大御所でしょうが、それ以外にも色々面白い作品があります。
二年生では漢文で「鴻門の会」をやっているとのことで、授業では本宮ひろしの『赤龍王』を紹介しましたが、『東周英雄伝』(講談社)が個人的にはオススメ。鄭問という中国の漫画家が毛筆で書いたというマンガで、絵がいい味出してます。短編集で、教科書には出てこない人物も多いですが、始皇帝や孔子、墨子、孫子、西施といった有名どころから、「刎頸の交わり」の廉頗と藺相如、「管鮑の交わり」の管仲と鮑叔牙など高校時代に漢文で習った人物も登場して楽しめます。(私がこれを習った国語のK先生は今年の3月でご退職でした。娘さんは偶然にもウチの学校に通ってて、娘さんも今年3月に卒業。)
最近読んだのが、『墨攻』というマンガ。酒見賢一氏の小説が原作。先日古本屋で1巻を買ってみたら、これが面白かった(一緒に買った神坂智子の『T.E.ロレンス』はダメだった)。戦国末期、これまでの「兼愛・非攻」の方針を捨て、墨家は強大化する秦と結ぼうします。これに疑問を持ち、敢えて墨家の方針に逆らう才人・革離が主人公です。墨家の思想については、一年生の倫理でも出てきますね。隣に座っているN先生が持っていたので、2巻以降を借りて読みました(なぜか7巻がありませんでしたが)。N先生は「エンディングが気に入らない」と言ってましたが、私はハッピーエンドで良かったと思いますが(笑)。この『墨攻』、日本・中国・韓国・台湾の合作で映画化されたとのこと。カンヌ映画祭でプロモーション映像が紹介され、好評だったそうです。今年の秋が公開予定なので、予習しておくのもいいかも。
朝鮮日報日本語版の記事[http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/01/06/20060106000028.html]
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