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「知的基礎体力」というお話 [その他]

 台風は一体どうなっているんでしょうね?今私が住んでいる熊本県菊池市は、日が差しています。今日は幼稚園の運動会でしたが、大丈夫でした。暑くて日焼けしました。

 子どもを連れて行った病院で今日の毎日新聞を読んでいたら、「オウムの大量殺人を許してしまったのは、日本人の知的基礎体力が低下しているから」という記事がありました。この文章では、自ら思考する力だという意味で知的基礎体力という言葉が使われていましたが、知的基礎体力っていうのは平たく言えば国語力ではないでしょうか?オウム事件かは十年以上が経過しているわけですが、国語力は確かに低下しているような気がします。先日TBSの報道番組「ブロードキャスター」では、若者の漢字読解力が低下しているという特集があっていました。映画の字幕をつくる翻訳者が最近苦労しているということでしたが、実験で若い女性三人に過去の名作映画「第三の男」を見せたところ、字幕が読めない!小説も昔よりルビが増えているとのことです。大学入試もセンター試験をはじめ、大学入試も昔より易化しているような気がします。
 知的基礎体力が低下している大きな理由は、おそらく読書量の減少でしょう。私も昔TVゲームにかなり入れ込んだ時期がありましたが(初代PSやセガサターンは発売と同時に買いました)、私の経験ではTVゲームをすると知的基礎体力は確実に低下していきます。「書を捨てて町に出る」ことはもちろん大切ですが、寺山修司さんは、本で得た知識だけでなく実体験も必要だという意味で使ったのでしょう。まずは本を読まなければ。
 北海道大学の先生方による、新入生への推薦図書です。興味深い本がいろいろあります。
http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/book/index.php
 ここに掲載されている書評には、「ぜひ読んでみてほしい」「学習に最適!」「基本書」などのマークがついていて、実に興味深いです。私のような高校の教師と大学の先生方との一番大きな違いは、学問の最先端ではどのような研究がなされているのか、どういうテーマがいまホットなのか、という情報量の違いです。その点でもこのウェブはおすすめ。

 東大新聞に、得点開示制度にもとづく合格者の二次試験の点数が出ていました。今年の世界史は易しかったので、地歴の中では平均点が一番高かったですね。標準偏差も一番低い。ということで、世界史をおとすとかなり厳しかったでしょう。最高点は50点(60点満点で)、ということはウチの学校の卒業生もかなり健闘してくれました!来年の試験はどうでしょうか。キャスティングボードは数学だった模様。これは文系理系共通のようです。


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先生と同じ学校の一生徒

 若者だけでなくても、テレビでも誤字や間違った言葉遣いをしていることが多々あります。活字離れは決して若者だけの話ではないと思います。
by 先生と同じ学校の一生徒 (2006-09-16 19:19) 

zep

「活字離れ」という言葉は少々誤解を生む言葉かもしれませんね。「昔は活字に親しんだけれども今は離れている」、という人と「本など読んだことがない」、という人とは違うでしょうから。大学院時代、先生が「今は『昔々マルクスという人がいて.....』という話からしないといけない」と嘆いていましたが、私は大学院でもっと驚く経験をしたことがあります(笑)。
by zep (2006-09-16 19:51) 

rumi

おひさしぶりです!お元気ですか?ときどきのぞいているのですが、コメントできませんでした。私のおバカなコメントは場違いな気がして・・・。うちも今度の土曜日に幼稚園の運動会があります。ところで私も最近活字離れが進んでいます。難しい本は読めませんけど、あまり離れすぎないように気をつけたいと思います。季節の変わり目なので体調には気をつけてがんばってくださいね!
by rumi (2006-09-17 14:42) 

zep

rumiさん、お久しぶりです。連休いかがお過ごしですか......と言いたいところですが、台風で「いかがお過ごし」どころではないですね。こちらは、雨は全然降ってませんが、風が強くなってきました。昨日の幼稚園の運動会は何の問題もなくできましたが(私も綱引きや技巧走、親子遊戯に出ました)、今日の小学校の運動会は延期でした。小学生の子どもたちは、今日も弁当持参で登校だったのですが、午前中で帰ってきました。九州の北の方と違って、熊本はまだそれほどひどい状況ではありません。たぶんこれからでしょうね。私の勤務する学校は昨日から今日の体育祭延期が決まっていて、明後日火曜が準備等で登校、水曜日が体育祭です。今度こそ晴れてくれるといいのですが。これからも書き込みしてくださいね。
by zep (2006-09-17 16:46) 

モジャ

僕も、日本人の国語力の低下には危惧しています。しかし、活字離れというよりも、本質的な人の言葉を聞いて考えたり、推察したりする習慣が減ってると思います。頭で物事を考えるときは、おのずと頭の中で言葉が使われます。考えるには、豊富なボキャブラリーが必要になるので、やはり日常の意識改革を大人が率先して行い、洗練された言葉を使うべきでしょう。
by モジャ (2006-09-17 18:16) 

zep

先日隣に座っている同僚の先生のところへ、クラスの生徒が来てました。彼女かなり憤っていて、私も課外を担当したよしみで一緒に話を聞きましたが、彼女の話を聴く限り、「場の雰囲気を読めない」クラスメートに憤慨しているようでした。場の雰囲気を読めなくなっているのは、おっしゃるとおり「本質的な人の言葉を聞いて考えたり、推察したりする習慣が減ってる」からだと思いますね。企業が求める人材の条件は「コミュニケーション能力」だそうですが、なるほどそれ(場の雰囲気が読めない→コミュニケーション能力の低下)もモジャさんのおっしゃるとおり、国語力の低下も要因の一つかもしれません。
>日常の意識改革を大人が率先して行い、洗練された言葉を使うべきでしょう
そのとおりですね。「全然」を肯定の意味で使ったり、「気の置けない」「役不足」等いつのまにか誤用が一般化しているのを見ると、言葉遣いについて我々はもう少し言葉という文化についてセンシティヴになるべきなのではないか?と気がします......ということを考えていたら、ある生徒が言っていた「言語は生き物だから変化するのは当たり前、古典と現代文は違うでしょう?」という言葉を思い出しました。う~む。
by zep (2006-09-17 18:39) 

zep

今朝(9月19日)のNHKラジオ「ラジオあさいちばん」の中で7:20から放送された「ニュースアップ」をお聴きになった方、いませんか?毎日新聞の論説と似たような話があってました。今日のゲストの方(名前失念)の方は、この5年間の政治がわが国にもたらしたのは、言葉で「なぜ」と原因と結果を考察することなく、赤ん坊のように快か不快かの感覚で判断するようになってしまったことだと述べていました。これって「知的基礎体力の低下」ということだと思いましたが、どうでしょう?。だとすると、このような現象は政治の結果もたらされたのではなくて、政治を受け入れた原因だといえるのではという気がします。もしそうだとすると......
by zep (2006-09-20 00:01) 

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