『墨攻』(ジェイコブ・チャン監督、2006年、日本・中国・韓国) [歴史映画]
【映画について】
中国歴史小説の第一人者、酒見賢一原作の小説をベースにマンガ化した作品『墨攻』を映画化した作品。日本・中国・韓国の合作。東アジアの連帯と協力を象徴するかのような作品ですが、なぜか主演は嫌日家として有名なアンディ・ラウ(特典映像に収録されている来日時の映像では、にこやかに「コミック版の革離に似てなくて原作者に申し訳ない」などと語っているが)。革離に従う弓の名手、子団には台湾のニッキー・ウー、近衛騎兵隊の女性戦士、逸悦は中国の若手女優ファン・ビンビンが演じている。ちなみに子団と逸悦は映画版のみの登場人物。また趙軍の将軍、巷淹中を演じるアン・ソンギは、ユニセフ親善大使などをつとめる韓国の国民的俳優。
【ストーリー】
戦国時代末期、燕の支城である梁は、猛将巷淹中率いる10万の趙軍に攻められる。墨家の技術者である革離は、梁の支援要請を受けて梁城に到着、城民を鼓舞して趙の大軍を迎え撃つ。
公式サイト[http://www.bokkou.jp/]
【見所・感想など】
戦国時代の中国の生活が、よく再現されていると思います。攻城戦をはじめとするアクションシーンも多く、ストーリー的にも楽しめますが、『薔薇の名前』と同じく女性(逸悦)の登場は不要な気もします。彼女の死によって、戦争の理不尽さを示そうとしたのでしょうか?最後に姿を消してしまう子団はどうなったのか、気になるところ。地下の坑道を掘るために使役されていた奴隷の中に、アフリカ系の人が出てきますが、原作コミックに登場する異形の穴掘り奴隷ほどのインパクトはありません。気球による空からの攻撃は、原作にあった凧による攻撃をアレンジしたものでしょう。DVDの2枚目は、アンディ・ラウの来日時の記者会見や中国(北京)でのプレミアの様子、メイキング映像ですが、メイキング映像はセットの中を見て回るだけ。熱心なファン以外には、まったく不必要なものばかり。
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