『アミスタッド』(スティーヴン・スピルバーグ監督、1998年、アメリカ) [歴史映画]
1839年、アメリカで実際に起こったアミスタッド号事件をテーマにした、スティーヴン・スピルバーグ監督の作品。熊本高校では、現在の2年生が1年生の時、夏休みの宿題の英語の読み物として指定された作品です。出演は、合衆国第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズに、ハンニバル・レクター博士ことアンソニー・ホプキンス(彼はオリヴァー・ストーンの『ニクソン』で主役を演じており、二度目の大統領役である)、奴隷解放運動家ジョッドソン役にモーガン・フリーマンも出演。トラバード検事役は、『炎の英雄シャープ』で悪漢ヘイクスウィル軍曹を演じたピート・ポスルスウェイトがなかなかの好演。
【ストーリー】
キネ旬DB[http://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=each&id=30785]
【見所&感想など】
奴隷解放宣言前の合衆国における黒人は、すべて奴隷だったと思っている人も多いようですが、実際はこの映画でモーガン・フリーマンが演じている新聞発行人や通訳のように、解放された奴隷も多く存在していたのです。シンケが回想する奴隷貿易船の様子は、演出とはいえ悲惨の一言。白川隆信『歴史モノ教材で授業を変える』には、『ルーツ』を使う授業が紹介されていますが、この『アミスタッド』も使えます。アダムズ元大統領がジョッドソン(モーガン・フリーマン)と語る中で、「物語を語れ」という言葉は重く響きます。アダムズとシンケが語り合う場面、そしてアダムズの法廷演説も感動的なシーンです。ジョン・カルフーンがアダムズの副大統領だったのは史実通り。アダムズは、親子で大統領となった初めての人物です。
派手なアクションとかSFXとかはないので、歴史に興味がなくて「スピルバーグ」という名前だけで見ると、キネ旬DBに書かれているみたいな感想になってしまうでしょう。
【その他参考となるサイト】
奴隷船アミスタッド号の反乱[http://www.independence.co.jp/usa/amistad/]
武川正吾研究室[http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~takegawa/columns/col19980324.html]
児島研究室[http://www.koma.econ.meisei-u.ac.jp/koji/_tRhEs5H.html]
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