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インドの古代 [大学受験]

 山川出版社の教科書『新世界史』ではグプタ朝までが第3章で述べられ、ヴァルダナ朝からは第7章で述べられています。なぜこのような構成になっているのか、一昨年教育実習にきたU君(東大でインド史を専攻)に尋ねたら、グプタ朝までを古代、ヴァルダナ朝からは中世とする見方があるからでしょうとのこと。出版社に尋ねたところ、「7世紀以降に『今日の(南アジア)各地の社会を規定する伝統的生活様式の基本的なかたちが、この時代にできあがった』(第7章冒頭の「概要」より)という執筆者の考えから、この時代の始まりを時代の画期とみて、時代区分をしている」ということでした。

 『世界歴史大系 南アジア1』(山川出版社)によれば、「そこ(ヴァルダナ朝以降)では、ガンジス川中流域の圧倒的な先進性に基礎づけられた古代帝国・古代世界とは異なる帝国のあり方を見ることになるであろう。」(194ページ)とあります。U君の話の通り、グプタ朝までを古代と考えるのが妥当のようです。

 今年の課外で扱った、2001年の一橋大学の入試問題です。

 「今日、南アジアと呼ばれる広大な地域には、系統を異にするさまざまな人々が居住していた。この地域において、インド世界として特有の社会・宗教・文化体系の生成が始まったのは、たかだか最近3500年ほどのことである。こうして出現したインド古代の社会・宗教・文化体系とはどのようなものであり、それらはどのような過程を経て形成されたのかを説明しなさい。その際、下記の語句を必ず使用し、その語句に下線を引きなさい。(200字以内)<br>

 インダス文明  ヴェーダ  ブラーフマン*  ヴァルナ  ダルマ  マウリヤ朝
 (注)*バラモンとも呼ばれる。」

 「たかだか3500年ほど」ということなので、書き始めは3500年前のアーリヤ人の侵入からということは分かります(したがって指定語句の「インダス文明」は、少し使い方を工夫しなければならない)。指定語句はマウリヤ朝までしかないので、赤本などの解答例はマウリヤ朝までしか書かれていません。が、インド古代がグプタ朝までならば、「インド古代の社会・宗教・文化体系」が問われている以上、グプタ朝まで書くのが妥当でしょう。ただ指定語句が多いので、200字以内でグプタ朝まで書くのはかなりキツイ。よほど整理しないと。


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