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『グロ-リー』(エドワード・ズウィック監督、1989年、アメリカ) [歴史映画]

 アメリカの南北戦争時、黒人だけで編成されたマサチューセッツ第54連隊を描いた作品。連隊の指揮官である主人公ロバート・ショー少佐は、実在の人物です。デンゼル・ワンシトンモーガン・フリーマンというアフロ・アメリカンの二大俳優が出演しており、デンゼル・ワシントンはこの映画でアカデミー助演男優賞を受賞しました。その後二人はそれぞれ『マルコムX』『アミスタッド』という黒人問題に関わる映画に出演したというのも興味深いですね。
 『マルコムX』同様、デンゼル・ワシントン表情でも語る演技に注目です。むちで打たれるシーン、隊長から「旗手になってくれ」と頼まれるシーン、ローリング(モーガン・フリーマン)から諭されるシーン、戦闘前夜の決意表明のシーン等々.....。素晴らしい。ストーリー的には奇をてらった部分はない、予定調和的な感じもありますが、俳優陣の演技力と迫力ある戦闘シーンで、素直に感動できる作品です。特に決戦前夜、兵士たちが神を讃える歌を歌うシーンが感動的。
 驚くのが当時の戦闘の様子。歩兵は隊列を組んで敵の前面まで歩いて行軍していきます。これはかなり無謀だという気がします。『炎の英雄シャープ』でもそうでしたから、19世紀の欧米ではこうした戦いが一般的だったのでしょう。配給される銃は、シパーヒーの乱の一因ともなったエンフィールド・ライフルでした。映画に登場するフレデリック・ダグラスも実在の人物です。

   キネ旬報DB

   Wikipedia

 山川出版社の『歴史と地理』432号(1991年8月)に、この映画を用いた授業展開例が掲載されています。「歴史を観る-映画を駆使した授業」というタイトルで、筆者は伊藤弘成先生。山川出版社の『シネマウォーク』シリーズの著者です。

グローリー

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シネマウォーク in World History〈1〉通史編

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シネマウォーク―インワールドヒストリー

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コメント 3

さがい

 別件で申し訳ない。
 さて、世界史で疑問がありまして、質問です。ボストン茶会事件というのがありますよね。あの読みは、「ちゃかい」ですか、「さかい」ですか? それともどっちもあり? 長年の疑問で、高校世界史の専門家に聞いてみようと、ふと思いました。疑問そのものが「ありえない」でしょうか。やっぱり、「ちゃかい」かなあ。
by さがい (2008-02-20 18:02) 

zep

tea party の訳なので、「ちゃかい」です。かつては数研出版の参考書にpartyを「隊」と訳して「茶隊」と記述してある時期もありましたが、今で、はほぼ茶会に統一されています。詳しくはWikipediaの「ボストン茶会事件」→「「Tea Party」の訳について」を参照してね。
by zep (2008-02-20 18:18) 

さがい

やっぱり「ちゃかい」ですね。「さかい」と読むことはないんですね。
ありがとうございました。
by さがい (2008-02-20 21:58) 

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