岡部昌幸(監修)『迷宮の美術史 名画贋作』(青春新書) [歴史関係の本(小説以外)]
北方ルネサンスの項目で、ドイツといえば必ず登場するのがアルブレヒト・デューラー。彼は数多くの自画像を描いたことでも知られていますが、ニュルンベルクにある彼の生家に飾られている「1500年の自画像」は、かつて本物とされていたものです。しかし本物は現在ミュンヘンのアルテ・ビナゴークに収蔵されています。
もともとこの「1500年の自画像」は、デューラーの死後彼の生地であるニュルンベルク市に寄贈されたものですが、19世紀にはいってミュンヘンの選帝侯美術館に同じ作品が現れます。実はあとから現れたミュンヘンの自画像が本物でした。1799年、ニュルンベルク市からこの作品を借りだしていた、アブラハム・ヴォルフガング・キュフナーなる画家が贋作をつくった犯人。彼は厚さわずか15ミリほどの板に描かれていたこの作品を、裏表二枚に裂き、裏側に自分で偽作して市会に戻したのです。その後本物を売り飛ばし、それがミュンヘンにたどりついたというワケ。
世界史の授業で文化史を扱う場合、作品の見所などを解説するが一番もいいのですが、専門家でない私にはなかなか難しいものがあります。そこで作品や作者にまつわる色々なエピソードを紹介するようにしていますが、美術品の場合、贋作というエピソードは結構使えるのではないでしょうか?この本は絵画限定ですが、上記デューラーの他、フェルメールやゴッホ、ピカソ、定番のレンブラントなどのエピソードが収められています。
「贋作」という言葉には、なんとなくひかれます。「いかがわしさ」でしょうかね?マンガのネタにも結構なってて、私の手元にあるものでは、ゴルゴ13の「贋作工房」「モナリザの弾痕」、MASTERキートンでは「瞳の中のハイランド」「ダビデの小石」など。他に私が読んでみて面白かった「贋作本」としては、『芸術新潮』の「特集 贋作」(1991年11月)、同じく『芸術新潮』の「大特集 万国贋作博覧会」(1990年7月号)、さらに芸術新潮の特集をパワーアップした『世界贋作大博覧会』(ワールドフォトプレス、コレが実に面白い)といった雑誌や特集本も、楽しめます。また、東大の西野嘉章先生がウェブ上で公開している『真贋のはざま』は、オススメ。
贋作ではありませんが、先日テレビで中国の名画を複製する村が紹介されていました。紹介されていた模写、教材用に欲しいなぁ。
もともとこの「1500年の自画像」は、デューラーの死後彼の生地であるニュルンベルク市に寄贈されたものですが、19世紀にはいってミュンヘンの選帝侯美術館に同じ作品が現れます。実はあとから現れたミュンヘンの自画像が本物でした。1799年、ニュルンベルク市からこの作品を借りだしていた、アブラハム・ヴォルフガング・キュフナーなる画家が贋作をつくった犯人。彼は厚さわずか15ミリほどの板に描かれていたこの作品を、裏表二枚に裂き、裏側に自分で偽作して市会に戻したのです。その後本物を売り飛ばし、それがミュンヘンにたどりついたというワケ。
世界史の授業で文化史を扱う場合、作品の見所などを解説するが一番もいいのですが、専門家でない私にはなかなか難しいものがあります。そこで作品や作者にまつわる色々なエピソードを紹介するようにしていますが、美術品の場合、贋作というエピソードは結構使えるのではないでしょうか?この本は絵画限定ですが、上記デューラーの他、フェルメールやゴッホ、ピカソ、定番のレンブラントなどのエピソードが収められています。
「贋作」という言葉には、なんとなくひかれます。「いかがわしさ」でしょうかね?マンガのネタにも結構なってて、私の手元にあるものでは、ゴルゴ13の「贋作工房」「モナリザの弾痕」、MASTERキートンでは「瞳の中のハイランド」「ダビデの小石」など。他に私が読んでみて面白かった「贋作本」としては、『芸術新潮』の「特集 贋作」(1991年11月)、同じく『芸術新潮』の「大特集 万国贋作博覧会」(1990年7月号)、さらに芸術新潮の特集をパワーアップした『世界贋作大博覧会』(ワールドフォトプレス、コレが実に面白い)といった雑誌や特集本も、楽しめます。また、東大の西野嘉章先生がウェブ上で公開している『真贋のはざま』は、オススメ。
迷宮の美術史 名画贋作 (青春新書INTELLIGENCE)
- 作者: 岡部 昌幸
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 新書
真贋のはざま―デュシャンから遺伝子まで (東京大学コレクション)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 東京大学総合研究博物館
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
にせもの美術史―メトロポリタン美術館長と贋作者たちの頭脳戦 (朝日文庫)
- 作者: トマス ホーヴィング
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 文庫
コメント 0