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第57回全国社会科教育学会全国研究大会(宮崎大学) [授業研究・分析]

 宮崎大学における全社学(全国社会科教育学会)での発表は、4年前の鹿児島大会に続いて2度目。「地域から考える地域から考える世界史プロジェクト」のためにつくった授業、「宮崎滔天の活動を通じて見る世界史」を発表しました(レジュメはこちら)。教科書通りの構成の中に、いかに生徒の興味をひきつけるネタを盛り込むのかというのがテーマ。興味関心をひくことを第一の目的とした授業なので、資質の育成=生徒の変容を目的とした教科教育学会で報告するにはそぐわない授業だったかもしれません。この点で、大学の先生から出された「なぜ歴史を学ぶのか」という根本的な問いに対する回答「タテマエとしては現代社会の歴史的形成過程を学ぶととか、国際的資質の育成、異文化理解とか答えるだろうが、ホンネは人間のおもしろさを知るため」で私のスタンスは理解いただいたことでしょう。歴史で得た知識を活用して現代社会を理解する、すなわち歴史を手段として扱う現在のトレンドに対する私の疑問=なぜそれを歴史でやる必要があるのか、現代社会という科目、公民という教科ではダメなのか、ということも述べておきましたが、参加された方々はどのように受け取られたのでしょうか。

 フロアから出された質問のうち、「日露戦争は侵略戦争か、祖国防衛戦争か」というテーマは、授業で取り上げるべきではない(テーマ設定が妥当ではない)という意見をいただきましたが、なぜとりあげてはいけないのか、その理由が今ひとつよく分かりませんでした。その方からは、「教科書と資料集でその理由を考えろというのは無理だ」という意見もいただきましたが、私は一般論とことわったうえで「討論をする際には教科書その他手持ちの資料から考えさせる方が、突拍子のない苦し紛れの意見を出されるよりもいい」と言っただけの話であり、レジュメの中に『また「日露戦争には、侵略戦争という解釈と祖国防衛戦争という解釈がある。どちらが妥当だと思うか。」では調査の時間をとって討論させたかったが、時間の都合で討論まではできなかった。』と書いておいたのですが......。グローバルヒストリーと国民国家論の扱いについては、私が質問を誤解してしまったので、深く恥じ入ってます。「日露戦争の解釈については、最近の研究テーマを取り入れるのであれば『戦争は避けられたのか、避けられなかったのか』という設定の方がよい」というご指摘は、なるほどと思いました。ありがたいフォローでした。

 サッカー高校選手権大会県予選は、第2シードのルーテルに4-0の完敗でした。実際に指揮をとっていただいたKコーチに感謝。

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コメント 2

オガピー

ご無沙汰しております。授業の中で、宮崎滔天を取り上げられたことにちょっと反応…。大学で中国近現代史をかじりましたので、宮崎滔天と孫文との関係はご存知の通り。でもさすがに授業で宮崎の名を出すことは蛇足かな、とも思いましたが某Y出版社の教科書の写真に宮崎の写真が出ていたので、日本にも辛亥革命を応援していた人物がいることを語りました。熊本では有名人なのでしょうね。もっと色々派なしたいところですが、授業を進めなければならないため、さっと通過。討議などとんでもない!先生の実践には頭が下がります。レジュメ参考にさせていただきます。ありがとうございます。
by オガピー (2008-10-27 20:54) 

zep

地元テレビ局が宮崎滔天を主人公につくったテレビ映画『明治青春伝』には、オッチョことトヨエツも出てました。以前うちの学校に勤務していた先生のご実家が撮影に使われたそうです。その先生のお祖母様は、孫文が熊本に来たとき見に行ったとか。私も討論は、私も最近やってないですねぇ。時間ないですし。レジュメごらんになってお気づきの点があれば、ご意見ください。
by zep (2008-10-27 21:45) 

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