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今年の東大の第1問 [大学受験]

 ある予備校の分析にある「『世界史における役割』が読み手にわかるようにメリハリをつけて書くことが大事。」という指摘には同感。

 要求は「都市・産業・交易・経済・文化・人材・海外進出」で「オランダおよびオランダ系の人びとの世界史における役割」なので、以下のような点があげられるでしょう。
17世紀:世界経済の中心、宮廷文化に対して市民文化の発展、亡命者の受け入れ
    鎖国下の日本に海外情報を提供
    グロティウスが国際法を主張し、主権国家体制を促進
19世紀:南ア戦争が帝国主義時代における国際関係再編の契機となる
20世紀:太平洋戦争で連合軍の勝利に貢献
    ECの原加盟国として独仏とともにヨーロッパ統合を推進

 ネット上の解答例は「流れ」を叙述しているだけのように思いますが、それだけでは不十分なのではないでしょうか?「役割」が述べられているのはKだけのように感じます。
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ぐぅ

中谷先生の解説のリンクからお邪魔します。

「現代文」的に問題文を読み解いてみます。

「オランダおよびオランダ系の人びとの世界史における役割について、中世末から、国家をこえた統合の進みつつある現在までの展望のなかで、論述しなさい。」という問題文は、
 ①題名が 「オランダおよびオランダ系の人びとの世界史における役割」
となるような文章を、「世界史」なので
 ②歴史的事実を踏まえて
書きなさい、ということが第一の要求として読み取れます。

その上で2番目の要求、として
 ③「中世末から、国家をこえた統合の進みつつある現在までの展望の」
の視点を持ってほしい、それを感じ取れる文章にしてほしい、という出題者の方の願い=ヒント、があり、

さらに、制約でもあるけど叙述のガイドラインとして
 「グロティウス コーヒー 太平洋戦争 長崎 ニューヨーク
 ハプスブルク家 マーストリヒト条約 南アフリカ戦争」
という語句が与えられていて、さらにリード文の

 「ヨーロッパ大陸のライン川・マース川のデルタ地帯をふくむ低地地方は、中世から現代まで歴史的に重要な役割をはたしてきた。この地方では早くから都市と産業が発達し、内陸と海域をむすぶ交易が展開した。このうち16世紀末に連邦として成立したオランダ(ネーデルラント)は、ヨーロッパの経済や文化の中心となったので、多くの人材が集まり、また海外に進出した。近代のオランダは植民地主義の国でもあった。」

から「都市・産業・交易・経済・文化・人材・海外進出」に触れることができますよ、というこれまた出題者の方のヒント があるように感じます。

(続くかも)


  

by ぐぅ (2010-08-02 06:34) 

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