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新聞記事を使ったアクティブラーニング:現代社会 [現代社会ネタ]

 アクティブラーニングの試み、今年は一年生に所属なので現代社会で実施。取り上げた項目は「生命科学の発達と生命倫理」です。今回は使う新聞記事が多かったので、すべてPDF化してプロジェクターで黒板に投影し、重要な部分に黄色のチョークで傍線を引くという形にしました。

使った新聞記事は、
①「産みたい⑧~治療卒業」(熊本日日新聞 2013.01.09)
②「国内初の代理母~実妹が体外受精で」( 〃 2001.05.20)
③「出自する権利守って」( 〃 2015.06.01)
②「凍結精子児 認知せず」( 〃 2006.09.05)


まず、「生殖医療は必要だと思うか」という問いかけには、8割以上が挙手しました。理由を尋ねたところ、「子どもが欲しいという気持ちは、人間の自然な気持ち」という答えでした(指名一名)。そこで①の記事を紹介。
資料集(『フォーラム現代社会』とうほう)を使い代理懐胎について説明し、②の記事を使って代理母について説明。「生まれた子の母親は、産んだ妹か、それとも卵子を提供した妻か」という問いかけには、「妹」「妻」ほぼ半分に意見が分かれました。こうした意見が分かれる現状とともに、③でAID(非配偶者間人工授精)で生まれた男性の苦悩を紹介し、生殖医療が抱える問題点を概観しました。
いちばんメインは、②の記事を使っての話し合いです。
概要は
・1999年に夫が病死した後、凍結保存精子で妊娠し、2001年に男児を出産した女性が、生まれた子供を嫡出子(結婚した男女の子)として出生届を提出→認められなかったため、認知を求めて提訴
・一審判決(2003年11月松山地裁)では、女性の請求を棄却→女性は控訴
・二審判決(2004年7月)では、夫の子として認知→検察は上告
・最高裁判決(2006年9月)では、夫の子として認めず、妻は逆転敗訴。

「認知すべきか」という問いかけには9割の生徒が挙手したので、「認知のためにはどのような条件が必要だろうか」というディスカッションをしてもらいました。
出た意見は、以下の通り。
 (1)認めるメリット
  子どもの法的地位(遺産相続や戸籍など)
 (2)条件
  ・生前の夫の意志
  ・子どもにその事実を知らせること
  ・DNA鑑定による証明
  ・夫の死後、5年以内の出産

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