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教員の労働環境と教員養成系大学の授業 [その他]

2月に入って、新聞の紙面では新型コロナウィルス感染症と教員の労働環境に関する記事が目立つ・教員の労働関連では、
  2月1日(月) 部活交通費 23府県不支給 熊本など
  2月2日(火) 教職員残業 上限超え4割 
          県高教組調査 1割は過労死ライン
  2月3日(水) 小学校教員採用 競争率最低
          19年度 多忙化 低迷の一因
と、熊本日日新聞には三日連続で教員の労働環境をめぐる記事が掲載されていた。極めつけは、2月4日(木)に掲載された岡崎勝先生の連載「学校のホンネ」の「コロナ禍 増える不登校 教師の疲弊が引き金にも」である。

 昭和41年生まれの私は、今年度2度目の教員免許更新講習を受けた。最近ではe-ラーニングや放送大学などオンラインによる研修も少なくないが、母校で受けてみるかと思い熊本大学教育学部で受講したところ、受講費をドブに捨てたようなクズ講習のオンパレード。わが母校ながら嘆かわしい限りだ。受講した5講座の中で唯一満足できたのは「地域研究の方法論」だけで、中でも最悪だったのが「教育の最新事情」。認定試験の問題が午前と午後でほとんど同じだった。当然同じ内容を書いたのだが、結果は「認定」だった。バカにするにもほどがある。
 今の学校は、児童生徒のだけでなく教員も児童生徒と同じくらいのキツさを感じていると思う。だがしかし、受講した教員免許更新講習や熊本大学教育学部の入試で行われた過去の面接試験をみると、「児童生徒をどうするか」オンリーで、教師に向けるまなざしがほとんど感じられない。大学で教員のメンタルヘルスに関する講義があっているのかと思ったが、話を聞く限りはそうでもない。まぁ大学の先生方からみれば、スマホ指導や主権者教育、部活に保護者対応とかICTとか、「大学で教えることじゃない」って思っておられるのかもしれないが、実際現場に出れば授業以外の業務が山のようにあるし、どうしていいかわからないことも多いと思う。教員志望の学生には、「同僚のパワハラで鬱になったらどうするか」とか、「管理職から監査の前に〇〇を強制されたときにどう対応するか」「生徒から先輩教師の不適切な言動の訴えがあったらどう対応するか」といった自分の身を護るすべも教えた方が、役に立つのではないか。

 教育実習に来る大学生を見ていると、「教師は勤務時間とか無視して当たり前」と思っている節がある。遅くまで残ってるし、教員の勤務時間を過ぎても当然のように訪ねてくる。これは大学側の教育不足とともに、われわれも彼らが高校生の頃に「教師は勤務時間とか無視して当たり前」という誤ったイメージを与えていたと反省している。昨年度末の職員会議でも述べたことだが、私の学年から夕方の課外授業後の自習と土日休日の自習をすべて取りやめたのは、教員の負担軽減ということだけではなく、高校生に対してのメッセージ発信という意味もあった。

 今日2月6日は熊本大学の学校推薦型選抜Ⅱ(共通テスト利用型推薦)なので、面接の練習に来た生徒に岡崎先生の「コロナ禍 増える不登校 教師の疲弊が引き金にも」を読ませて、養護教諭志望の生徒には「児童生徒のみならず、教師の心のケアにも心を配りたいこと」、小学校教員強制課程志望の生徒には「児童生徒だけではなく教師も含めて、学校全体が自己肯定感を持てる雰囲気を作るにはどうすればよいかを大学で研究したいこと」を述べてはどうかというアドバイスをしておいた。果たして大学の先生方に伝わるか?

 熊本大学教育学部の面接試験の内容を見てみると、児童生徒が抱える問題にあなたはどう対応するかといった質問がほとんどだ。大学に入ってから、「面接で尋ねられた問題には、教師としてどう対応するのが正解なのか」は示されているのか気になる。



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