『大人の科学』 Vol.12 [モノ教材(模型)]
その昔、学研の『○年の科学』についていた付録にワクワクした人も多いことでしょう。私もその一人。学研から発売されている『大人の科学』は、そんな大人たちをターゲットにした、付録付きの雑誌です(雑誌タイトルは誠文堂新光社の『子供の科学』の向こうを張った感じですが)。
買ってみたのが第12号。特集は「科学者レオナルドの真実」ということで、付録はレオナルドのヘリコプター。これは実際に飛ばないということはよくしられていますが、飛ばないレオナルド・モデルとともに、翼部分に改良を加えた飛ぶタイプも付録についています。
本誌の特集も結構使えます。巻頭の綴じ込み付録として、原寸大のパリ手稿のコピーがついています。これはパリの学士院が保管しているパリ手稿のコピーで、付録のヘリコプターをはじめとして飛行に関する記述の部分です。原寸大なので、授業で回して鏡文字を確認させるといいかもしれません。言われないと、鏡文字とはわかりませんが。レオナルドがなぜ鏡文字で書いたのかという理由ですが、本誌のインタビュー記事(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想研究所所長)によると、彼が左利きだったからというのが一番可能性が高いようです。レオナルドは言葉を正しく書く教育を受けなかった(ラテン語も35歳になって勉強をはじめた)ため、手紙を書くときは人を呼んで筆記させていたらしい。つまり鏡文字は他人に見せるためでなく、自分自身のための記録として用いたわけです。
手稿のことをイタリア語で「codice コーディチェ」と言うそうですが、これは例の『ダ・ヴィンチ・コード』の「コード」と同じ。パソコンの動画などに使われる「コーデック」も同じ意味です。ですが、「codice」の語源であるラテン語の「codex」には、英語と違って「暗号」という意味はなく、単に「本」という意味だとのこと。本誌のインタビュー記事(イタリア国立レオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館キュレーター)によると、「隠されているものを見つけだす」という「暗号」なのではなく、本来の意味により近い「見て読んで楽しむ」のが正しいダ・ヴィンチ手稿の読み方だとか。
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