発禁本 [モノ教材(紙モノ)]
2年ほど前、私は町内会の班長をしておりました。毎月第1日曜日には資源ゴミの回収があり、班長の私は指定場所で「アルミ缶はこちら」とか「ビンのキャップは出来る限りはずして」、「新聞紙はバラバラにないようにヒモで結んでください」などと案内等をしていた次第。たまに面白そうな本が持ち込まれますが、「ください」とお願いすると100%間違いなくもらえました。そのときにもらったものを紹介しましょう。
『露西亜革命の思想戦』という本で、大正14年5月20日の発行です。発行元は早稲田大学出版部で、著者はトロツキー、カメーネフ、スターリンとなっていて、訳者は井田孝平という人。定価は2円30銭ナリ。読んで面白い、というワケではないのですが、内容はさておき実に興味深いのが、表紙の見返しに押してある印。
訳者の井田孝平氏は、「前日露協会学校長」という肩書きになっていますが、この日露協会学校というのは、大正9年(1920年)に設立されたロシア語の専門学校で、満州国成立後は満州国立ハルビン学院という名称になっています。杉原千畝氏もこのハルビン学院の卒業生だそうです。
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