ケマル=アタテュルク [モノ教材(貨幣)]
トルコの政治が揺れています。 イスラム色の強い与党、公正発展党(AKP)に反発する世俗派市民らが大規模な反政府デモを行い、爆弾テロも起こっています。先月始まった大統領選ではAKPのギュル外相が当選確実と見られていました。しかし、政教分離が揺らぎかねないとする野党、共和人民党(CHP)が提出した選挙無効申し立てが裁判所に認められ、外相が立候補を取り下げたことなどから大統領選は中止になっています。もっとも、イスラーム教徒が多数をしめるトルコですから、われわれがイメージする政教分離とは少し異なるようです。このあたりの話は、トルコ革命の授業ネタとしても興味あるところ。
関連サイト[http://www.jp-tr.com/icerik/yazarlar/tulip/tulip0071.html]
この政教分離の原則を定めたのがアタテュルクこと、ムスタファ=ケマル(1881~1938)。現在でも、トルコの紙幣・貨幣・切手は、彼をデザインしたものがほとんど。いかに彼が国民から尊崇されているかがわかります。
トルコ革命は近代の世界でも大きな動きだったと思います。論述をやっているので世界史全体を俯瞰しているとトルコ革命は際立って見えるようです。オスマン帝国の印象(?)が強いからでしょうか。それにしてもこんなに切手を始め資料を持ってらっしゃるなんて羨ましい。私は某書店の絶版フェアで欲しかった毛沢東語録の日本語版を発見したのですが高くて買えませんでした。校内模試、受けに来ますのでその時はまたよろしくお願い致します。
また是非中国の資料を見せて頂きたいです。
by カヅ (2007-05-20 01:08)
イスラーム教徒が国民の大部分を占めるのに政教分離を中心とした西欧化っていう点でユニークさが際だってますから、世界の民族運動の中でもトルコ革命はやはり目立ちますね。民族運動は東大でも頻出テーマの一つですが、トルコ革命だけに限れば都立大の94年とか京大の99年に出題されてますね。でも民族運動は、19世紀末・日露戦争後・第一次世界大戦後というふうに時期で整理して、世界全体を視野に入れた学習をすべきだと思います。トルコ革命からみでは、「第一次大戦中から戦後にかけてのアジアにおける民族運動」をトータルで出題した都立大の問題が良問だと思うのですが、何年の問題だったかなぁ?第一次世界大戦後では、民族自決の原則が実現しなかったアジア・アフリカに注目したいところ。毛沢東語録の日本語版って、私はヤフオクで700円で買いましたが、そんなに高いのですか?[http://blog.so-net.ne.jp/zep/2006-09-14]。そういえば、カヅさんのウェブを読んでて、前回趙雲の「趙」の字を間違ってたことにきづきました。申し訳ない......
by zep (2007-05-20 17:11)
民族運動を含め長い時間軸に渡って歴史を見るのは東大論述の特徴ですので頑張りたいと思います(日本史論述は得意ですが世界史論述はどうにも苦手で…)700円ですか!毛沢東語録は2000円だったと思います。絶版だったからでしょうか。ぼったくりです。
ウェブって…まさか私のサイトですか…!?ヒイ!!いったいどこから…!!
by カヅ (2007-05-20 22:40)
某「黒い堕天使」君のサイトからです。
by zep (2007-05-21 18:28)
ああ…やっぱり…。生徒がオタクでも引かないで下さいね先生…。
by カヅ (2007-05-21 22:28)
国際交流基金日米センターの助成金で、多文化社会米国理解教育研究会というところが作った【ニッケイ移民トランク】という教材のこと、ご存知でしょうか?
実物をテレビ会議で見た(画像越しを“実物”と呼んでいいのか???)のですが、面白い教材だと思いましたので一応お知らせしておきます。
by LAxSachi (2007-05-22 00:39)
>カヅさん
黒い堕天使くんのブログ(4月23日)によれば、「zep先生は司令官てことで残り五人でオタクレンジャー結成だっ!!!」とあるんですけど.....でもなんで「サイトがバレてると知ってショックです。」なの?(笑)
>LAxSachiさん
探してみたところ、「ニッケイ移民トランク」 というのはみつかみませんでしたが、「多文化社会アメリカを授業する-マルカルトランクの開発と実践-」というのは見つかりました。これって教材からマニュアルまで一式トランクにはいった貸し出し教材なんですね。面白い。社会科教育学の分野でも最近では移民を取り上げた実践がかなり発表されているようです。
by zep (2007-05-22 23:18)
先生は司令官が似合いますね!結成したいものです。敵のボスは発汗大王N先生で。世界を汗の海に沈めるべく侵略を開始したN大魔王。今、その野望を挫くため六人のオタクが立ち上がる!というストーリーでお願いします(笑)うっ…ショックなのは趙雲趙雲叫んでるオタク臭満載の日記と絵をッ先生に見られるのは恥ずかしいからです…!
by カヅ (2007-05-22 23:59)
URLからリンクできるようにしていたのですが、このコメント欄には【書き込み者の名前】のリンクになるんですね。説明不足でわざわざ探す手間をおかけしてすみません。結局同じ教材のことです。
世の中、zep先生のように手間暇と金をかけて授業を作ってくれる教師が少ないということでしょうか。zep先生みたいな“あたりの教師”にめぐり会えた学生は幸せですね。
zep先生の足元にも及びませんが、私も『教材はクラスに合わせて教師が手作りするもの』という主義です。ただ、今夜は、あのトランクの宣伝をかねて、(小学生に45分だけ)日系移民のお話をします。
ところで、熊本の教育委員会は素晴らしいテレビ会議プログラムを持っているんですね、感動しました。その機能を利用して、LAから紙芝居を小学校の体育館に映し出す作戦です。
小学生対象ですから、
『僕たちが給食を食べる時間に、昨日の晩御飯を食べ終わったLAのおばちゃんと直接話した』という体験と
『外国に移住した日本人がいたということを知る』
ということを授業の柱とします。
今から児童とのやり取りが楽しみです。
by LAxSachi (2007-05-23 03:02)
>カヅさん
明日から校内模試ですね。世界史は30点が目標点です。カヅさんのサイトは面白いですよ。楽しんでます。が、ちゃんと勉強しているのか?という不安が......
LAxSachiさん
なるほど、リンクで紹介いただいているのですね、気づかずに申し訳なかったです。「実物をテレビ会議で見た」ということですが、このテレビ会議も熊本県のシステムでしょうか?県立学校は「熊本県教育文化ネットワーク」というシステムで結ばれており、学校同士はテレビ会議システムで結ばれていますが、教育センターの許可がないと教育文化ネットワークの外へはつながらないので、県立学校とは違うシステムのようです。東京大学は高校生向けの授業をインターネットで配信し、地方の高校生もリアルタイムで質疑応答ができるという双方向性をもった事業を行っていますが、これは単にメッセンジャー系のアプリを使ったものでした。最近のメッセンジャー系のアプリは、テレビ会議にも使えますね。
by zep (2007-05-23 21:18)
国際電話の料金がかからないからと言われて、東京で働いている息子とはMSNメッセンジャー(画像を見ながら)で話しているのですが、今回、どんなシステムを使ったのか??私には分りません。
ただ、小学生を見ながら(授業と呼ぶには抵抗がありますので)コミュニケーションできたのはおもしろい経験でした。
便利な世の中になったものです。
by LAxSachi (2007-05-25 06:23)
子どもたちにとってはよい体験になったと思います。テクノロジーの進歩と地球の広さを同時に感じることができたのではないでしょうか。私は何度かYahoo!のメッセンジャーを使ったことがありますが、映像はフレーム落ちが多かったような気がします。かなり前のことなので、最近はずっと向上しているかもしれませんが。音だけだったら電話みたいに使えるスカイプ(SKYPE)の方が良いと思います。
by zep (2007-05-25 22:07)