貿易銀 [モノ教材(貨幣)]
東京書籍の教科書『世界史B』には、「銀・ドル・円」というコラムがあります(221ページ;書き出しがどこかで見た文章.....)。「世界中の銀の価格が等しくなった」ということで、日本の貿易銀、メキシコドル、イギリスドル、サイゴンドルを見せてすべて同じ大きさ・重さであることを理解させれば、銀による世界の一体化を実感させることができるでしょう。教科書の写真は原寸大なので、大きさを比べさせてもいいかも。銀による世界の一体化については、図説が帝国の『タペストリー』にあります。
Wikipediaには「現在でもフランス語では、お金を指して「銀」(アルジャン、argent)と言い、日本語でも銀行、路銀などの言葉で、「銀」にお金の意味を持たせている。」とありますが、南米のアルゼンチンは、国名自体がが「銀」を示しています。
東京書籍の教科書の記述によれば、英語のドルの語源は、16世紀のドイツ銀貨ターレルが訛ったものだとか。なおダラーマーク($)の由来について、山川の『世界史用語集』では「ソリドゥス金貨」が由来とありますが(「ノミスマ金貨」の項目)、Wikipediaには別の説が紹介されています。
日本の貿易銀は、レプリカがYahoo!のオークションに多数出回っています。「参考品」といのがそれ。私が買ったのは、8枚で1000円でした。他の貿易銀も、1枚1000~3000円だったので、多分ニセモノでしょう。「日本銀」は800円でした(笑)。イギリス貿易銀には漢字その他の文字も刻まれています。
イギリス貿易銀に刻まれたブリタニアとフランスピアストル銀貨(サイゴンドル)のマリアンヌにも注目させたいところ。メキシコ貿易銀には、現在メキシコの国旗にも描かれているアステカ由来の国章「鷲が蛇をくわえている図」が描かれています(教科書の図の反対側です)。
教科書に写真が掲載されているメキシコドルに描かれた図柄には、「LIBERTAD」という文字が読み取れます。
小田中先生のブログで『歴史学と歴史教育の構図』という興味をひかれるタイトルの本が東大出版会より出ているのを発見。でも値段が¥ 7,560 。ちょっと手が出ませんなぁ。
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