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日食 [授業ネタ]

 今日は日食でした。私の学校ではすべてのクラスで課外を中断し、中庭で見学。幸い?曇り空で、グラスが無くても欠け具合がよく見えたため、くっきりと三日月型が浮かび上がると生徒たちからは歓声があがっていました[http://www.higo.ed.jp/sh/kitash/now/diary/diary21/2009-7gatu/7gatu.html]。

 私はアマゾンで購入した観測グラスを持参したのですが、これがなかなかのもので、とてもくっきりと日食が観測できました。

 ヘロドトスの『歴史』には、ギリシアの自然哲学者タレスが日食を予言したことが記されています(巻一、74:岩波文庫版では上巻の61㌻)。ヘロドトスによれば、これはリディアとメディアが戦っていたときのことで、この日食を不吉に思った両国は和平に至ったということです。紀元前585年5月28日のことです。
 ある夜タレスは天文の観察に夢中になってしまい、溝にはまりこんでしまいました。それを見ていた女性から、学者というものは遠い星の事はわかっても自分の足元の事はわからないのか、と笑われたそうです。勉強に夢中になり、自分の指をかじってしまった王安石のようです。
 タレスは貧乏だったので、哲学など何の役にも立たないではないか、とバカにされてしまいます。そこで彼は次のオリーブの収穫が豊作であろうことを天文学から予測し、まだ収穫前の冬の間にミレトス一帯の全てのオリーブの圧搾機械を借り占めておきました。予想通りオリーブは大豊作で、タレスは大もうけしました。このときタレスは、自分が望めば金持ちになれるが、そのようなことは関心がないにないと言ったとのこと。素晴らしい。
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活版印刷術 [授業ネタ]

 第二次世界大戦中、アメリカ合衆国で新しい技術の開発が始められた。1980年代になると、この技術に基づいてインターネットなどを利用した新しい出版の形態が生み出された。この技術の名称を記せ。(東京大学 2004年)

 「活版印刷術は木版印刷術よりも優れている」という認識が、誤りではないけれども正しくもないということに気づいたのはつい最近のこと。『紙の歴史』という本を読んでからです。すなわち、

 ・英語の場合26文字しかないアルファベットに比べて、漢字の本は膨大な数の活字を必要とする。 (四書五経とその注釈書には、全部で6544種類の漢字が使われているという)
 ・活版印刷では、書体自体が芸術性を持つ漢字の本をつくれない。
  (アジアでは書の物質的・芸術的側面は文の意味内容と深く結びついている)

ということです。

 そしてさらに、金属活字でつくった原版の重さときたら、並のものではありません。Wikipediaには以下のような記述があります。

 「活版印刷で書籍を組んで刷るということは、単に版面を構成する文字を並べるだけでも膨大な数の活字が必要になる。これはアルファベットでもそうであるし、日本語や中国語など字種の多い文字言語においてはより顕著である。また、行間や余白は写植・DTPに於いては文字通り「何もない空間」であるが、活版ではインテルやクワタなどの込め物によって詰められた、まさに「充満した空間」なのであって、それらがまた金属(あるいは木)であるゆえにその分の重量も半端なものではない。さらに大量印刷の為には原版刷りではなく、紙型を取って複製する設備なども必要であるなどの特徴がある。これは、印刷機そのものよりも手前の工程において、大量の資材と人手を要することを意味する。  こういった理由のため、大型設備を用いた活版印刷を「技術の保存」を目的として保っていくことは極めて困難であり、それがいわゆる伝統工芸化を阻んでいる。そういった中でも、活版印刷を辞める印刷会社から道具・機材を譲り受け、プライベートプレスを行っている、という人もいる。」


 活版印刷を行う業者は激減し、最近では、使われなくなった印刷用活字は釣りのルアーの自作用材料として出回っています。

活字.jpg

 私がこれを実感したのは、使われなくなった名刺の原版を手にしてからです。まさに「充満した空間」で、ヨコ8.5センチ×タテ6センチの大きさながら、重さは文選箱((活字を拾う時に使う箱))にはいった状態でちょうど1キログラムにもなります。ゆずっていただいた方によると、B4の大きさの伝票の組版は18Kgにもなるそうです。百聞は一見にしかず、とはまさにこのこと。





紙の歴史―文明の礎の二千年 (「知の再発見」双書)

紙の歴史―文明の礎の二千年 (「知の再発見」双書)

  • 作者: ピエール‐マルク=ドゥ ビアシ
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本



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トスカナ地方 [授業ネタ]

 下線部(7)の人物(ダンテ)に関連して述べた文として波線部の正しいものを,次の①~④のうちから一つ選べ。 
① この人物が生まれたフィレンツェでは,15世紀にフッガー家が政権を握った。
② この人物の時代にフィレンツェを支配するようになったゲルフ(グエルフ)は,神聖ローマ皇帝を支持する党派であった。
③ この人物が著した『神曲』は,トスカナ地方の日常語で書かれ,「地獄篇」・「煉獄篇」・「天国篇」の三部から構成された。
④ この人物の作品に影響を受けたボッカチオは,『カンタベリー物語』を日常語で著した。

1999年度 世界史B 第3問B



 イタリア北部のトスカナ地方は、イタリアの先住民族エトルリア人が済んでいた場所です。ローマを建てたラテン人は、人はエトルリア人を "Tusci" と呼んだことから、トスカナの呼称が生まれたようです

 この地域で使用されていたトスカナ語は、ダンテの『神曲』(この呼び方を広めたのは、センター試験の問題でもダンテの影響を受けたことが指摘されているボッカチオらしい)に用いられ、今日のイタリア語の原型となったというは有名な話

 総領冬実『チェーザレ~破壊の創造者』(講談社モーニングKC)の登場人物であるアンジェロのフルネームは、アンジェロ・ダ・カノッサ。彼の出身地カノッサというと、カノッサの屈辱で有名ですが、図説に載っている「カノッサの屈辱」の絵にはトスカナ女伯マティルダが出ています。アンジェロはフィオレンティーナに属していますが、フィレンツェとカノッサは極めて近い場所にあります。「フィレンツェとカノッサは極めて近く、どちらもトスカナ地方にある」ということはぜひ押さえておきたいところ。カノッサ(叙任権闘争)よりフィレンツェ(第4回十字軍)が後からでてくるので、フィレンツェの場所を確認するときにカノッサの場所も確認するのがいいかもしれません。
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蒋介石の幣制改革 [授業ネタ]

 先週の金曜日、鹿児島の高校で世界史の授業を見学させていただきました。興味深かったのが、蒋介石による幣制改革がかなり詳細に説明されていたことです。私は「通貨の統一という経済政策によって、蒋介石による中国の政治的な統一もすすみ始めた」とその意義くらいしか話さないのですが、授業でその詳しい内容をうかがって興味をひかれ、ちょっと調べてみました。(『中国近現代史』岩波新書ほか)

①統一前の状況
 通貨の基本は銀で、紙幣は多くの銀行が発行していたため、発行する銀行の信用度に応じて、額面と流通範囲が変動していた。
②銀の使用禁止
 それまで流通していた銀はすべて政府が買い上げて国有とし、アメリカに売却する。売り上げを法幣価値の安定基金として積み立てる。
③ポンドとのリンク
 1元を1シリングの固定為替相場制で(当時のレートとしてはイギリスに有利)、36年5月以降にはドルともリンクするようになった。

houhei01.jpg
1940年(中華民国29年)に中国銀行が発行した法幣。「重慶」という加刷があります。


houhei02.jpg

「美国鈔票公司」という表記。印刷はアメリカで行われたようです。



 市古宙三『中国の近代(世界の歴史20)』(河出文庫)によれば、アメリカの中国進出に対抗するためにイギリスはリース・ロスを中国に派遣し、彼の勧告に従って幣制改革が実行に移されました。一方アメリカは、イギリス主導の改革に反発し、ロンドンでの銀購入を停止します。困った中国(ロンドンで銀を売り、かわりにポンドを入手していた)は銀の最大購入国であるアメリカに救援を求めざるをえなくなり、結果的に法幣はドルともリンクすることになったわけです。つまり幣制改革の裏には、中国をめぐるアメリカとイギリスとの主導権争いもあった、ということになります。蒋介石による経済統一とひきかえに、中国は米ドルと英ポンドの支配下にはいってしまったことになります。


中国近現代史 (岩波新書)

中国近現代史 (岩波新書)

  • 作者: 小島 晋治
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/04
  • メディア: 新書



世界の歴史〈20〉中国の近代 (河出文庫)

世界の歴史〈20〉中国の近代 (河出文庫)

  • 作者: 市古 宙三
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1990/03
  • メディア: 文庫



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イスラーム圏の国旗 [授業ネタ]

 イスラームの授業でサウジアラビアの国旗を使っている先生も多いと思います。サウジやリビアの国旗(現在のリビアの国旗誕生の由来も興味深いですが)。緑がイスラームの聖なる色である理由について、私は「ムハンマドが使用したターバンの色」と授業では話してきましたが(「緑のターバン説」は、『世界の国旗全図鑑』小学館に紹介されています)、Wikipediaには「緑は正統カリフ時代とファーティマ朝の旗の色」という記述があります。もっともムハンマドのターバンの色だったので、正統カリフ時代に緑を採用し、シーア派のファーティマ朝もこれにならったと考えても無理はなさそうです。
 イスラーム圏の旗には緑以外に白・黒・赤も多く使われており、これを汎アラブ色というそうです。白がウマイヤ朝の、黒がアッバース朝の旗の色だったとは知りませんでした。なお赤新月社のマークやトルコなどの国旗に見られる「三日月と星」の由来については諸説あり、『世界の国旗全図鑑』では4つの説が紹介されています。三日月と星がイスラームのシンボルとして定着したのはオスマン帝国時代のようですが、その起源はどうもイスラームとは関係がなかったようです。

 「くもんの国旗カード」は、けっこう使える教材だと思います。


徹底図解世界の国旗 カラー版―国旗の由来・配色の意味から、正しい比率と色まで

徹底図解世界の国旗 カラー版―国旗の由来・配色の意味から、正しい比率と色まで

  • 作者: 辻原 康夫
  • 出版社/メーカー: 新星出版社
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 単行本



世界の国旗図鑑―歴史とともに進化する国旗

世界の国旗図鑑―歴史とともに進化する国旗

  • 作者: 苅安 望
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



世界の国旗全図鑑―国旗から海外領土・国際機構・先住民族の旗まで

世界の国旗全図鑑―国旗から海外領土・国際機構・先住民族の旗まで

  • 作者: 辻原 康夫
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



世界の国旗カード 1集 第2版 アジア・北アメリカ・南アメリ―幼児から (1)

世界の国旗カード 1集 第2版 アジア・北アメリカ・南アメリ―幼児から (1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: くもん出版
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本



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戦国時代はいつからか [授業ネタ]

 中国の戦国時代は、前403年に始まるというのが定説だと思ってました。晋が韓・魏・趙の三国に分裂したとされる年です。ところが先日NHK教育テレビの番組『知るを楽しむ この人この世界 孟嘗君と戦国時代』[http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200810/monday.html]を見ていたら、「紀元前475年から戦国時代が始まる」という話でした。テキストを購入したところ、これは周の敬王が崩御した年だということです。それでもなぜ前476年をもって戦国時代の始まりとするのかよく分からなかったので、問い合わせをしてみました。回答によれば、戦国時代がBC403年からというのはあくまで一つの説にすぎず(時代区分ですので、ここから、という絶対的なものではないそうです)、要は歴史の様々な出来事のどこに焦点を当てるか、ということなので、『資治通鑑』の説に従えば、韓・魏・趙が知氏を滅ぼして独立諸侯としての実質を得たBC453年が戦国時代のはじまり、ということになるそうです。
 ちなみに前476年説は、『史記』の「表」におさめられている10の年表のうち、「六国年表」が始まった年=周の敬王崩御の年(BC476年)に基づいているとのこと。中国の歴史書には、同じ出来事が違う年号で様々な書物に登場して混乱することもしばしばなので、この番組のベースは、「六国年表」だそうです。





この人この世界 2008年10-11月 (2008) (NHK知るを楽しむ/月)

この人この世界 2008年10-11月 (2008) (NHK知るを楽しむ/月)

  • 作者: 宮城谷 昌光
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: ムック



ダヴィッド「マラーの死」(1793) [授業ネタ]

 ウチの学校では資料集として帝国書院の『タペストリー』を使っていますが、フランス革命のところで、ジャック=ルイ・ダヴィッド「マラーの死」(ベルギー王立美術館蔵)が載っていないのは残念。皮膚病の治療のためとはいえ、風呂に入っている最中に若い女性を浴室に招き入れるとは、なかなか肝っタマのすわった人物。一方、犯人のシャルロト・コルデー嬢はかなりの美人。
 長谷川哲也『ナポレオン~獅子の時代2』(少年画報社)には、ダヴィッドが「マラーの死」を描いている場面があります。マラーの口から飛び出した舌を切り取った、というのはホントのようですが、書いている最中に右手が腐り落ちたので縫い合わせたという話はホントなんでしょうか?
 Wikipediaによれば、フランス革命中に化学者ラヴォワジエが処刑されたのは、彼が調整請負人であったことが理由ではなく、ラヴォワジエがマラーの学会入りに反対したことにより、マラーの恨みをかったことが理由だ、という説が紹介されています。Wikipediaのラヴォワジエの項目には、ダヴィッドによるラヴォワジエとその妻の肖像画が掲載されています。


ナポレオン獅子の時代 1 (1)

ナポレオン獅子の時代 1 (1)

  • 作者: 長谷川 哲也
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2003/10/24
  • メディア: コミック



ナポレオン獅子の時代 2 (2)

ナポレオン獅子の時代 2 (2)

  • 作者: 長谷川 哲也
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2004/06/28
  • メディア: コミック



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フリードリヒ2世(大王)が作曲した音楽 [授業ネタ]

 啓蒙専制君主として有名なプロイセンのフリードリヒ2世(大王:位1740~86)は、音楽を愛好家としても知られています。帝国の『タペストリー』には、サンスーシ宮殿でフルートを吹く大王の絵が載っていますが、大王が作曲したフルート曲は100曲を優に超えます。サンスーシ宮殿の宮廷には当時の一流音楽家が多数集ったことで有名で、中にはJ.S.バッハ(大バッハ)の次男C・P・E・バッハも1740年から1767年までチェンバロ奏者として仕えており、父の大バッハをフリードリヒに紹介しています。大バッハに「音楽の捧げもの」のモチーフを与えたのは、フリードリヒ大王であったという説もあります。

 フリードリヒ大王が作曲したCDはわが国でも数多くリリースされています。私が教材用に購入したのは、「空想の音楽会~ポツダムのサン=スーシ宮における音楽会」というCD.フリードリヒ大王が作曲したフルート曲をはじめ、C.P.E.バッハの作品もおさめられています。この手のCDが1枚あれば、「17~18世紀の文化」の授業に使えます。



空想の音楽会(23)

空想の音楽会(23)

  • アーティスト: 音楽史,C.P.E.バッハ,フリードリヒ2世,クバンツ,ブラヴェ,グラウン,フォントゥニー(ベルナール),シャンボン(ジャック),ラリュー(マクサンス),ベッケンシュタイナー(アンヌ=マリー)
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1997/06/25
  • メディア: CD



サンスーシ宮のフルート音楽

サンスーシ宮のフルート音楽

  • アーティスト: リンデ(ハンス・マルティン),フリードリヒ2世,C.P.E.バッハ,ベンダ,クヴァンツ,コッホ(ヨハネス),ルフ(フーゴ)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2004/06/23
  • メディア: CD



18世紀のフルート協奏曲集

18世紀のフルート協奏曲集

  • アーティスト: ランパル(ジャン=ピエール),クヴァンツ,フリードリヒ2世,ルイエ,ノード,ドヴィエンヌ,ルーセル(ジャック),アンティクァ・ムジカ・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/11/01
  • メディア: CD



18世紀ドイツ「新世代」のフルート音楽

18世紀ドイツ「新世代」のフルート音楽

  • アーティスト: 有田千代子,中野哲也 有田正広,C.P.E.バッハ,アーベル,クラインクネヒト,ミューテル,フリードリヒ2世,ベンダ,有田正広,有田千代子,中野哲也
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/12/19
  • メディア: CD



フリードリヒ大王 / フルート協奏曲第4番ニ長調

フリードリヒ大王 / フルート協奏曲第4番ニ長調

  • アーティスト: オムニバス(クラシック),ウンガー(ゲルハルト),フリードリヒ2世,ハイドン,クラウゼ,クレマンシック(ルネ),ウィーン・ムジカ・アンティカ合奏団,バーゼル・スコラ・カントールム合奏団,ミュラー(ハネローレ),リンデ(ハンス=マルティン),デーラー(イエルク・エーバルト)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/08/01
  • メディア: CD



フリードリヒ大王の宮廷音楽

フリードリヒ大王の宮廷音楽

  • アーティスト: クイケン(バルトルド),ベンダ,グラウン,キルンベルガー,フリードリヒ2世,クバンツ,ミューテル,クイケン(ビーラント),アスペレン(ボブ・ファン)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1997/02/21
  • メディア: CD



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たとえを使った説明 [授業ネタ]

 先日半兵衛先生からお尋ねがあった件です。私も関心があったので、昔の『歴史と地理』をひっくり返してみました。見つかったのは、423号(1990年の11月号)で、「世界史の研究145」。執筆者は長野県の窪田善雄先生という方です。「歴史概念を何かにたとえることで生徒の興味と理解を引き出したい」という考えには、つよくひかれます。「果にたとえる中国古代国家の変遷」など、いくつか例が出されていますが、中でもインパクトがあるのがある女性の生涯にたとえたカトリック教会の発展」です。夫(西ローマ帝国)に先立たれた女性という設定で、妹夫婦(コンスタンティノープル教会と東ローマ帝国)、若い恋人(フランク王国)に前夫のかたみを贈って再婚、そして夫婦喧嘩へ....という話です。素晴らしい!あと教室を使った古典荘園のたとえも、よくできています。掲載されているマンガも面白いですね。この論文では「たとえ話」を使うときの問題点も指摘されており、こちらも参考になります。「授業をよりよく構成するためのあらゆる手練手管を身につけなければならない」という指摘は、普遍性を持った指摘だと感じます。窪田先生は、513号に「アルノルフィニ夫妻の肖像にみる中世ヨーロッパの諸相」という文章を書いておられますが、これも面白い。

 その他再読して面白かった記事は以下の通り。
  ・408号(1989年8月)  「音楽でたどるヨーロッパの歴史」
  ・414号(1990年2月)  「教具と疑問で迫る世界史授業」
  ・420号(1990年8月)  「思考力を育てるための世界史の授業
                   ~イギリス産業革命をどう教えたか」
  ・432号(1991年8月)  「歴史を観る-映画を駆使した授業」
  ・441号(1992年5月)  「北宋・徽宗皇帝の『桃鳩図』と日本」
  ・483号(1995年11月) 「お金が語る世界史」
  ・489号(1996年5月)  「世界近現代史の授業で使える音楽教材」
  ・495号(1996年11月) 「各国貨幣の教材化」
  ・561号(2003年2月)  「歴史は何の役に立つの(木村尚三郎氏のエッセイ)」

 414号の特集で私は「モノ教材」に目覚め、483号と495号の特集を読んで各国の貨幣を集め始めました。こうした「授業の工夫」を語ることも重要なことだと思います。


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アメリカ合衆国大統領就任演説のCD [授業ネタ]

 第32代F.ローズヴェルトから第40代レーガンまでの就任演説集(CD10枚組)。ケネディはぜひ授業で使いたい。原文と日本語訳もついているので、けっこう使えそうです。Yahoo!のオークションで3100円でした。

ケネディ大統領演説集―英和対訳

ケネディ大統領演説集―英和対訳

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 南雲堂
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本
大統領の英語 (講談社学術文庫)

大統領の英語 (講談社学術文庫)

  • 作者: 松尾 弌之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫


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